第43ニャ【ここからはガチで勝負ニャ】


 夜間、冷える砂漠をひた歩き、やっとのことで抜けた時には朝が訪れていたニャ

 さすがに疲れたニャ、砂の上を歩くのは雪とはまた違った疲れが……あぅ


「すばり〜?」

「ふ、仕方あるまい。ここで少し仮眠をとるか」

「はーい!」

「で、モフモフはどうするのだ?」


 あ、そうか。もふ男いたんだニャ

 もふ男は少し考えて、にゃにを思ってか毛玉を丸めてぬ子に手渡してきたニャ

 えっと、どうしろと?


「こ、これ、は……かんしゃ、気持ちです」

「ニャ……あ、ありがと、ニャ」


 フワフワモフモフ、ぬ子の肉球にすっぽり収まるサイズの毛玉で感謝を告げたもふ男は、別ルートを選択して先に進んでみるみたい

 この先、また出会った時は敵同士、彼もそれをわかっていて別々に行くんだニャ


 みんにゃ、それぞれの種族の運命を背負ってるんだ。お母ちゃんやお父ちゃん、ついでに不良猫もシャムも、仔猫達も、ぬ子がその運命を背負ってるんだニャ、だから、勝たニャいと!


「すばり、ぬ子達も先に進もうニャっ……て、寝てるし!」


 すばり、寝るの早過ぎニャ

 でも、疲れているんだニャ。ニャら、ぬ子もすばりを枕にして少し眠るニャン

 にゃしし、今はぬ子だけのすばりニャ〜




 って、ぎにゃらす!?

 寝過ぎたニャーー!?


「すばり! すーばーりー! 起きるニャ!」

「ん、ぬ子……? ん? んん!?」

「ニャン!」

「ぬがぁぁっ!! ぬ子、今すぐ出発だ!! 我の魔眼がっ、現在最下位だと疼き喚いているぞ!」

「いや、その魔眼、さっきまで寝てたニャ。そ、それよりすばり、ダッシュするニャ!」

「おう、失った時間を取り戻す! うおおぉぉっ荒野っ、行動ぉぉぉっ!!」

「ニャーー、四足ダッシュ、フル回転だニャーー!」


 ぬ子とすばりはひたすら走ったニャ

 方向が合っているかもわからニャいけれど、とにかく前へ! 負けるわけにはいかニャいもんね!


 その後、休憩用の宿で何度にゃんどか小休憩を挟みニャがら前をゆく代表達に追いつかんと進んだ。何日にゃんにち経過したかもわからニャいけれど、手応えはあるニャ

 何故にゃぜニャら、足跡がちらほらと出始めたからだニャ


「これは……馬か?」

「違うニャ、牛だニャ」

「いや、カピバラ……それはないか。しかし、カピバラは要注意だろうな。ねずみは前科有りだからな」

「あのエロカピバラには猫パンチしニャいと気がすまニャい!」


 ぬ子達の前には、二つの道が。

 片方は牛か馬? の足跡が、もう片方には、恐らくイノのダッシュ跡、


「すばり、ぬ子はイノと戦いたくニャいから、こっちに行こう?」

「我もそれには同意だ。どちらの道にどの代表がいるかはわからんが、まだエンカウントしていない方に進むのはアリだな」

「じゃ、決まりだニャ!」


 ぬ子達は右ルートを選んだニャ

 あのカピバラめ、絶対倒して十二支から引きずり落としてやるからニャ!


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