第41ニャ【モフモフニャ】



 現在、ぬ子達猫代表チームは最下位爆走中!

 キノコだらけの森を抜け、手作りの舟で大きニャ湖を越えて、雲の上も歩いて、

 にゃんだか神界だけあって凄いところばかりだニャ。景色が良くてついつい記念写真を撮っちゃう。すばりとデートしてるみたいで楽しいニャ


 宿で支給された味気のニャいご飯だけは気にいらニャいけれど、あるだけマシだよね


 こんニャ感じで数日が過ぎた頃、久しぶりに地上に降りて来たニャ

 でも、


「暑い……」

「こ、この辺りは砂漠エリアのようだな」


 すばりはジャージを腰に巻いているニャ


「ぬ子よ、暑くないのか? ポンチョにマフラーはこの気候ではキツいだろ」

「そ、そんニャこと言って、ぬ子を脱がす気かニャ!?」

「いや、別にいいならいいんだが」

「仕方ニャいから脱ぐかニャ、はい、すばり持って〜、あ、マフラーはぬ子が持つからいいニャ」


 このマフラーは大事だからぬ子が持つもんね

 邪魔なポンチョはすばりに持ってもらおうっと。渋々持ってくれるあたり、優しいニャ

 ついつい甘えてしまうニャ


 とはいえ、暑いことに変わりはニャい

 はやく抜け出そうと頑張って歩いていると、ぬ子の視界に黒い丸が、というか、シルエットが

 近付いてくと、黒いシルエットは白い毛玉に


 白い毛玉に、黒い肌の、


「あ、羊だニャ」

「暑過ぎて倒れたようだな」


 これはチャンスニャ、この暑さであのモコモコは完全にアウトだもんニャ

 通る道を間違えたことを後悔するんだニャ


 と、思ったけど、


「すばり〜?」

「はぁ、捨て置く訳にもいくまい」

「すばりはやっぱり優しいニャ」

「それはぬ子……いや、今はとにかく運ぶか。あそこにオアシスらしきものが見える。蜃気楼でなければ良いが、今は一縷の望みに賭けるしかあるまい。我らとてこのままでは干物エンドは免れないしな」

「干物エンドは嫌だニャ、急ぐニャ!」


 これまた無駄ににゃがいモコモコをすばりがおんぶして、ぬ子は後ろから支えたニャ

 暫く歩くとすばりの言ってた通り、湖と木のあるオアシスに到着したニャ!


「ニャったーー! 水だニャ!」


 とりあえずモコモコを水に浸けてみると、次第に黒い顔色が、いや、顔色は黒いままだけど気絶していたモコモコが目を覚ましたニャ

 話を聞くと、聞くまでもニャく暑さでダウンしていたと。そりゃそうだよニャ

 名前は、もふ男、雄で全身を毛玉が覆った羊の代表だニャ

 もふ男は何度もぬ子達に感謝を伝えてきたニャ


「あ、ありが、とう。たす、か、ったよ」


 凄いオドオドしてるニャ

 でも良かったニャ。勝負と言えども、あのまま置いてったら死んじゃうもん

 それじゃ寝覚め悪いし


「夜になるのを待って先に進む事にするか。ぬ子、それまで水浴びでも昼寝でも好きにしていいぞ」

「わかったニャ! 水浴びするニャ! ぬ子、水嫌いだけど今はすぐにでも飛び込みたいニャ! あ、でもぬ子のスッポンポンを覗くニャよ?」

「え、全裸で入るの?」


 すばりがにゃんか言ってるけど知ーらニャい。ぬ子は草むらで服を脱いでありのままの姿で湖に飛び込んだニャン

 気持ちいいニャ、水浴びがこんニャに気持ちいいニャんて不思議ニャ気分だニャ


 ニャふふ、猫だって猫かきが出来るんだニャ

 そうだ、奥の方に言ってみよう。探検するニャ


 いざ、全力猫かきフル回転ニャーー!!


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