第37ニャ【罠にご注意ニャー!?】



 ……あーぁ、すばり、ビショビショになっちゃったニャン☆テヘペロ許してニャン


 つまりは、すばりを起こそうと水を汲んできたまでは良かったんだけれど、どうすればいいかわかんニャかったぬ子、全身にぶっかけてみたニャ

 作戦は大成功! すばりが起きたニャン

 その代わり、すばり、ビショ濡れニャン……


「ごめんニャさい」

「ま、まぁ良かろう……ち、ちょうど水浴びもしたかったところだ。ふ、それはそうと、ちぃは?」

「先に行くって」

「こ、これでまた最下位だな。だが、ちぃのおかげでまだ希望がある事もわかった。諦めるにはまだ早いな」

「あったりまえニャン! さ、いざしゅっ、ぱ……つ??」


 ——強撃ドゴス!!!


「ぶがふぁっ!?」

「すばりーーーー!?」


 すばりの顔面に木で出来たハンマーがめり込んでるニャ。めちゃくちゃ痛そうニャ

 当然の如く、卒倒したすばりは地面に尻もちをついてめり込んだ顔面を手でおさえる。めり込みは程なく元どおり、あれだけの衝撃を受けて眼鏡は無事ニャあたり、魔道具は伊達じゃニャい


 よかったニャ、ぬ子、背が低くて

 ぬ子の頭スレスレの位置でブラブラと揺れるにゃぞの木製ハンマーにすばりの顔型が出来ているのはこの際どうでも良くて、いや、どうでも良いんだけど……


「ぷっ……ニャはははっ」


 駄目ニャ、顔型がツボに!

 笑うぬ子を冷めた眼で見るすばり。だって、面白いんだもん、許してニャン


「ぐ……これは、罠? そうか……これは恐らく何者かが仕掛けたトゥーラップ!!」

「トラップね」

「そう! トラップだ! つまり、同じこのルートを何組かの代表が通っている証拠! くくく、わかる、わかるぞ! これはっ——」


 すばりが決めようとした、その時、向こう側、つまりぬ子達の前方から地鳴じにゃりが聞こえてきたニャ

 凄まじいまでの地鳴じにゃりはその後プツリと途切れ、それと同時におんにゃの悲鳴が


 ぬ子とすばりは顔を見合わせてうにゃずき、悲鳴のした方へ向かったニャ


 するとそこには、


「びえぇっ、たすけてくらしゃい〜、だれか〜」


 罠にかかった幼女がいたニャ


「ん、君は猪のイノじゃないか」

「はっ! 猫のおにーしゃん!? と、仔猫しゃん!」

「こ、仔猫じゃニャいもん!」


 網にかかって宙吊りにニャった幼女は猪のイノだったみたい。どうやらすばりとおにゃじで何者にゃにものかが仕掛けたわにゃに引っかかってしまったんだニャ


「すばり〜?」


 ぬ子の目を見たすばりは頭をポリポリしてズレそうな眼鏡の位置を調整して、


「仕方ない。助けてやるか」

「ありがと、すばりは優しいニャン」


 ほんとは、このまま置いてく場面ニャんだよね。でも、イノは唯一ぬ子に笑いかけてくれるしニャ

 網をその辺の鋭い小石ですり切って、にゃんとかイノを助け出したすばり


 すばりは優しくイノを地面におろしてあげると妹を見るようニャ優しい目をする

 もう、ぬ子というがいるというのに。この浮気者!

 とはいえ相手は幼女だニャ。ここは目をつむってやるかニャ。にゃんと言ってもぬ子は二歳、成猫おとにゃだもん


「おにーしゃん、ありがとー! ギュー!」

「お、おいおい!? ははっ、わかったわかった、わかったから抱きつくな!?」


 ぬ子は二歳、


「イノ、こう見えても三歳でしゅ! ハグくらい何てことないのでしゅ」

「む、言われて見れば、意外と女性的な膨らみが」


 ぬ子は二歳、ぬ子は、って歳上!?

 膨らみ!?


「ふふっ、イノはこれでも隠れBカップでしゅ」

「どうりでぬ子のAAカップとは違うわけか」


 おい、


「えーーっ!? 仔猫しゃんそうなんだ! 大丈夫だよ、きっと大きくなるから!」

「そうか? もう成長止まってそうだが?」


 ちょい、


おっ○いだってかわいいでしゅー!」

「近年はのも需要があるみたいだしな、気に病む事はなかろう」


 ふぉふぉい、

 す、好き勝手にっ……


 必殺!! 百烈猫パンチ!!!!


 ——


 森にすばりの断末魔だんまつにゃが響き渡ったのは、言うまでもニャいよね



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