第36ニャ【頭ポンポン、わしゃわしゃニャ】
独りぼっち、さ、さびしくニャんてニャいもん
すばりは犬にメロメロだし。ぬ子のすばりをペロペロして……あんニャ犬……
そうだ、骨……これ、
程よい重さ、クンクン、む、あの犬の匂いがするニャ。こんニャもの、ポイしてやる……
もう、真っ暗だニャ
すばりはもう先に行ったんだろうニャ
すばりの匂い、クンクン、すばりがくれたマフラーはあたたかいニャ。これは、すばりのぬ子に対する愛の証、だと思ってたのに……
ぬ子って、チョロいのかニャ……
一人で舞い上がって、
「本当、バカちんだニャ……」
このまま、神界で行方不明にニャって、誰にも気付かれニャいまま息絶える。お馬鹿ニャぬ子にお似合いの最期だニャ
猫は往生際がいいニャ
でも……だけど、
すばりに会いたい
涙が出て、止まらニャいよ
だってぬ子は、すばりのことが————
ん? あし、お、と??
ぬ子の背後に、気配がふたつ、
「はぁっ、はぁっ、こ、こんな所にいたのか、さ、捜したぞ、我のっ、パートナーよ!」
「……あぅ、す、すばり……?」
視界がボヤけてよく見えニャいけれど、そこには肩で息をする眼鏡ニャしすばりと、
「ぬ子、それは……」
「はっ! ちぃの骨!」
犬がぬ子の右手に掴まれた骨を見て駆け寄って来たニャ。きっと、ぬ子のこと引っ叩くんだ
「あ、あのっ、猫さ、ぬ子さんっ! あ、ありがとうございますです〜っ! 骨、見つけてくれたんですね!」フリフリ!
「ちょ、ち、ちがっ……こ、これはっ」
「ありがとうです、ペロペロ!!」
「ふニャらすら〜っ、く、くすぐったいニャ!? だから、ち、違うって……っ!」
ぬ子が絡み付く犬を振り解こうとしていると、すばりが目の前まで歩いて来て、低く屈んだニャ。眼鏡ニャしの鋭い眼を緩やかに細めたすばりは、手を伸ばし、
「ニャふんっ!?」
「良くやったな、それでこそぬ子だな!」
手を伸ばして、ぬ子の頭をポンポンって、優しく叩いてくれたニャ。全身に電撃が走ったみたいニャ感覚がぬ子の橙色の髪を逆立たせる
「違うんだ、すばり……ぬ子、ほん、とは……」
ぬ子は本当のことを、
すばりとちぃに言ったニャ
「そうか。でも、ぬ子は捨てなかった。だからいいんじゃないか? そうだろ、ちぃ?」
「はいっ、ちぃも配慮が足りなくてごめんなさいです。まさか、ぬ子さんとすばりさんがつがいだったと知らずにペロペロしちゃって……ほんとにごめんなさいですっ!」
二人とも、怒ってニャい?
ぬ子は悪い猫だったのに、お尻ぺんぺんされてもおかしくニャいのに、
って、え!?
「つ、つがいーーーーっ!?」
「はわっ、ち、違うのですかぁ〜っ!?」
「ち、ちがちが、違う、わ、わわわ、わけ、でも、に、ニャい……け、ど」
いや、違うでしょニャ!? つがいってつまりはぬ子とすばりがふ、夫婦、ってことは、ち、ち、チューとかしてると思ってるのか!?
ニャン、恥ずかしいニャンッ!
「ふふふ、ふはははははっ!! つがい!! はーっはっはっはっ、良いではないか!! 我のパートナーであるぬ子は、殆ど、つがいと変わらんだろう!!」
は、始まったニャ
さすがにちぃもビックリして大きな瞳を潤ませてプルプルしている。あのプルプルは恐怖のプルプルだよニャ、たぶん
と、そんニャ思考を吹き飛ばすように、すばりがぬ子の頭をわしゃわしゃと撫で回してきたニャ
「ニャンッ」
あ、あたま、身体っ、ホワホワするニャ
気持ち良いニャ〜、心地良いニャ〜
おっ○い、ドキドキするニャ〜
「はニャニャ〜もっと〜!」
「わしゃわしゃわしゃーーーーーーわしゃストリーーーッム!!」
わしゃストリームやべーニャ!!
幸せ過ぎてもうどうにかニャっちゃいそうだニャ
☆ぬ子のわしゃわしゃタイム☆〜☆ぬ子のわしゃわしゃタイム☆〜☆ぬ——
「……あ」
すばりが倒れたニャ……って、えーーっ!?
「す、すばり〜、しっかりするニャ〜!?」
大変だニャ。ぬ子に触りすぎてアレルギー症状が出たんだニャ。慌ててちぃに助けを求めようとしたけれど、
「い、いニャい!?」
そうだったニャ。ぬ子達がわしゃわしゃタイムしている時、お邪魔だからお先に失礼しますとか言って去ったのを忘れてたニャ
言っても勝負中、ライバルだからニャ。次に会った時はまた戦うことにニャるんだ
だから、今のこのピンチは、ぬ子が!!
よし、川の水を汲んで来よう!
待ってろニャ、すばり! 今助けてやるニャ!
——
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