第38ニャ【猪突猛進でトラップ回避ニャ】


 すばりの鼻から真っ赤ニャ橋がかかってるけれど、ぬ子はそんニャこと知らん

 ふん、すばりが悪いニャ

 おっ○いの問題はデリケートだニャ、身をもって思い知ったかボケちんすばり


「こ、仔猫しゃ——」

「ジロリ……こ、ね、こ〜?」

「ぬ子しゃん、お、落ち着いてくらしゃい! おにーしゃん、もう死んでましゅ!」


 え!? マジっすかニャ!?


「いや、辛うじて……生きっ……ぶぴゅっぴー」


 よかった、死んではいニャかった


 その後、すばりの真っ赤なアーチも次第に止まり、やっとのことでイノと会話することが出来たニャ

 聞いたところイノは猛ダッシュ、つまりは猪だけに猪突猛進で森を突っ切るつもりだったようニャ

 でも、無数のわにゃに翻弄されて方向感覚が麻痺して、しまいニャ逆走、遂には捕まってしまったと


 はにゃしを聞いたすばりはドヤ顔で宣言する


「我の魔眼がさし示す闇の超推理が正しければ、それは猿の仕業だな。間違いない!」

「まぁ、言われるまでもニャく、あの憎たらしい雌猿の仕業だろうニャ」


 すばりはこの前も落としあにゃに落とされたしニャ。そう言えば、その時もイノがいたニャ、偶然だろうけど

 そんニャことをはにゃしていると、イノが落ち着きなく辺りを見回しはじめたニャ


「どうしたニャ?」

「あーーっ、もういてもたってもいられましぇん! それでは! うおおぉぉぉっ猛ダッシュでしゅぅーーーーーー!!」


 一瞬の出来事だったニャ

 とてつもニャい風圧がぬ子の前髪をにゃびかせる。と、同時に地鳴にゃりが起き遠ざかっていったニャ


「助けてあげたのはいいけど、もしかしたらやばいライバルを助けてちゃったかもニャ。あんニャの、追いつける気がしニャいんだけど」

「ふ、ふふふ、ふははははっ!」


 うわ、またスイッチが!?


「ぬ子、走るぞ!!」

「え?」

「我らも走る! ついて来い!」

「ちょ、すば!? 待ってニャーー!?」


 ぬ子はやけに速いすばりの後を四足ダッシュで付いていくニャ。暫く走ると、


「あ……」


 暫く走ると、再びわにゃにかかった幼女の姿が。今度は檻のようニャものに頭を突っ込んでお尻を突き出すようニャ残念な格好で

 これがぬ子より歳上だニャんて、信じらんニャい

 ガタガタと揺れる檻から声がするけれど、もうお尻が喋ってるようにしか見えニャいよ

 ぬ子がすばりを見上げると、すばりもおにゃじようにぬ子の眼を見てたニャ

 はう、ドキドキするニャ〜って、そうじゃニャくて


「すばり?」

「捨て置くわけにもな……」

「だ、だよニャ……」


 結局、また助けちゃうぬ子達

 助けてもらったイノは砂まみれの顔で笑顔満開。いや笑顔可愛いけどニャ、ちょっと埃はらった方がいいよ、もう


「ぬ子しゃん、ありがと」

「どういたしましてニャ」

「それじゃ! うおおぉぉぉっ猛ダ——」

「ちょ、ちょっと待て!?」


 すばりが猛ダッシュを止めようとイノを掴んだニャ! と、思ったら、


「猛ダッシューーーーーー!!」

「ぬあぁぁっ!?」

「すーばりーー!?」


 イノのパワーが凄すぎてすばりが引っ張られたニャ。ぬ子はすかさず爪を立てて、にゃびくすばりに捕まったんだけど、


「ニャァァッ!? は、速すぎだニャァァッ!?」


 とんでもニャい速さニャ!

 ぬ子とすばりは風ににゃびく旗のようにパタパタしニャがら振り落とされニャいように踏ん張ったニャ。イノは木の枝を物ともせず突っ走る。所々でわにゃが発動してるけれど、速さで回避していく様は圧巻、というかこわいから止めてーー!?


 ——


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