第31ニャ【エロカピバラを駆除するニャ】


 だ、誰かいるニャ

 目を凝らしてよく見ると、うっすらとそのシルエットが露わにニャってきたニャ。あれは……


「あ、ネズミだニャ!!」ウズウズ


 ね、猫の本能が疼くニャ……でも、あのネズミ、おとこだよニャ?

 つまりここは、混浴? えらいこっちゃですニャ

 ぬ子はすかさず身を隠したニャ

 ネズミはキョロキョロとして首を傾げ、


「あれ? 気のせいっスかね?」ともらす。


 はっ! にゃんか一人でブツブツとはにゃしはじめた。少しだけ隠れて盗み聞いてやるニャ


 何々にゃににゃに〜?



「キュゥゥ〜、それにしても極楽ごくらく〜。やっぱり温泉は露天風呂に限るっス〜」


 ネズミのやつ、温泉が好きニャのかな?


「それにしても十二支レースなんて面倒なこと、よくもまぁ……何とかして楽にゴール出来る方法を考えないとっス。先代のように、脳みその回転が遅そうな牛を利用するのが手っ取り早いっスかね? それとも……」


 さ、さすがネズミだニャ。聞いた事あるニャ、ネズミは牛の背中に乗ってゴールの手前でジャンプ、そのまま一位を勝ち取った卑怯者ニャ

 と、言っても、ネズミにしては大きいよね? あのサイズじゃ牛の背中に乗っても気付かれちゃうニャよ? そ、それでも、ズルは許さニャい!


 今ここで駆除してやるニャ! とう!


「やいやい、ネズミ! 悪巧みはここまでだニャ! 観念して猫パンチの餌食にニャるニャ!」

「げげっ!? やっぱり猫ぉぉぉっ!?」


 飛び出したぬ子を見てネズミが恐れおののいているニャ。薄めの茶髪がピョンと跳ね、トロンとした眼を見開いて天敵であるぬ子を見て固まったニャ


「ネズミ、ズルは駄目ニャ! 正々堂々と勝負するニャ!」

「ボクはカピバラ! 確かに鼠っスけど、ちゃんとかっぴゔぁらって名前もあるっス! そ、そそ、それより何スか、いきなりツンツルテンの素っ裸で!?」


 ニャン!?

 勢いよく飛び出したせいでバスタオルが!!


「ネズミ! ボケちん! 見るニャーー!!」

「さすがに無理があるっスよ、それ」

「うぅっ、すばりにしか見せたくニャかったぬ子のオールニャードがぁ……ドブネズミニャんかに見られてしまったニャ……」

「ちょ、ちょっと酷くないっスかね?」


 とりあえず、急いで落ちたバスタオルを拾っておっ○いに引っかかるように巻きにゃおしたぬ子は、えっちニャネズミに指をさして言ってやったニャ!


「見られたからには……ガチで駆除だニャ……!」

「ひぃっ、ボクの癒しの場所が一気に地獄に!? お、落ち着けっス!」


 恨むニャら、自分の運命を恨むニャ!

 必殺っ、とうっ!


「って、あれ!? 消えた!?」


 ぶっふぁぁっ!!

 お湯に飛び込んだはいいけれど、ネズミがいニャい? さっきまでそこにいた筈ニャのに?


 おかしい……と、そんニャ思考を巡らせていると、ネズミの声だけがその場に響いたニャ


「キュキュキュ、そんな簡単に駆除されてたまるかっスよ〜だ! 悔しかったら明日のレースで捕まえてみろっスよ! あ、そうそう、ボクはちっ○いには興味ないっスから〜、キューッキュキュ!」


 ニャ、ニャ、にゃんだとーーっ!!

 ムカつくニャーー!!


 その後、ぬ子が辺りを見回しても、ネズミの姿は見つからニャかったニャ

 自然に囲まれた湯の真んにゃかで一人佇むぬ子に冷たい夜風が吹いてきたニャ。寒いからひとまず湯に浸かるかニャ


「ふぅ、これは確かに極楽だニャ〜」

「あぁ、やはり露天風呂は最高だな」

「これはろてんぶろって言うのかニャ〜」


 ……ん? 今の声は


「って、すばりいたんかい!!」


 猫パンチ! 猫、猫パンチ!!


「ぐばっ、な、何をする!? ぐはぁっ!!」

「このむっつりえっちめがね! ぬ子の裸、見たニャ!? 見たんだろニャ!?」

「や、やめろっ……ぬ子の裸などに興味はない!」

「おっ○い見ただろニャーー!」

「だからおっ○い無ぃ——」


 スーパー猫パンチ!!



 結局、すばりの鼻血で露天風呂は清掃中に

 他の代表達は文句を言いニャがらそれぞれ男湯と女湯に入って行ったニャ。その時、牛の雌とすれ違ったニャ。ネズミが言ってたニャ、頭の弱い牛を騙して楽するのが手っ取り早いって


 教えてあげニャいとって思ったけど、声をかけるタイミングがニャかった

 みんにゃぬ子を見てもすぐに目を逸らしてはにゃしてくれニャい。唯一笑いかけてくれるのは猪のイノくらいニャ


 はぁ、とりあえず部屋に戻ろうかニャ

 明日にそにゃえて早めに寝ニャいとね

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