第30ニャ【とりあえず温泉ニャ】




『動物達〜、超絶美少女アルマの話をよーく聞きなさい? それじゃ明日から開催される第二回十二支レースのルールを説明するわ!

 えっと〜、何々〜、うわ、主神様の字が汚なくて読めないじゃんよ〜、ブツブツ』


 綺麗な人だニャ〜、女神様か〜

 そんニャ女神様、アルマは手に持った紙切れに目を通しニャがら眉をしかめているニャ

 ぬ子達を含む十二支のみんにゃはそれぞれ欠伸をしたし雑談をしたりしてるニャ。すばりも眼鏡を拭いてるし、ぬ子も毛繕いでもしてようかニャ


 にゃんだか時間かかりそうだしニャ


 と、そんニャ調子で待っていると女神アルマが細い腰に両手を当てて小振りだけども形のいい、でも中途半端なBカップ程度の胸を張ったニャ


 ぬ子は揺れもしニャいAAカップだけど


『おほん、ルールを説明するわよ!

 出発は明日! 神界の門を潜って主神様の所まで来る事! スタート地点だけはランダムで転送されるわ、そこで楽な道を引けるかは運次第よ!

 コースは神界の大自然コースね、辺鄙な所に建てられた主神様の別荘がゴールよ! 途中、小さな町とか村、宿なんかがあるけど、そこは各々自由に使っていいわよ!

 はい、説明終わりっ! んじゃ、私、忙しいから後はテキトーにやっといてね!

 ……あ、やば、劇場版ぺん×カウ始まっちゃうし! じゃ、ばいばーい!! 動物達に女神の加護があらんこ——』


 あ、消えた

 女神アルマは最後まで言い切ることもニャく帰ってしまったニャ。ぬ子が言うのもにゃんだけど、忙しニャい女神だニャ


 その後、頭に輪っかのついたおんにゃの子達に案内あんにゃいされてそれぞれの部屋に。結局、誰ともまともにはにゃせニャかった

 やっぱり、猫は嫌われてるのかニャ?


「くっくっ、何を神妙な顔をしている。ぬ子らしくないではないか」

「い、いつも能天気みたいに言わニャいでよ」

「それはさておき、どうやらこの旅館には温泉があるみたいだ。旅の疲れを癒すにはもってこいだな」


 って、よく見たら既に温泉モードにニャってるすばり。いつの間にお風呂セットを……しかも服も着替えてるニャ


「ん、この服か? これは浴衣だ。ぬ子も着替えて汗を流してくるがいいさ! 我は先に行くぞ、いざ、回復ポイントへ!」


「はぁ、また訳のわかんニャい言葉を……」


 それより、浴衣ってにゃんだろ? サラサラしてるニャって、

 あーあ、すばり、ルンルンで行ってしまったニャ

 全く、お子様ニャンだから〜

 それじゃ、ぬ子も温泉行こうかニャ、折角だし


 ぬ子は差し出された浴衣? を持ってその温泉とやらへ向かうことにしたニャ


 ——


 温泉は一階のロビーから別館につにゃがる廊下を渡った先にあるみたいニャ

 用意されていてお風呂セットを落とさニャいように両肉球両手で運びニャがら暫く歩くと、白い湯気がぬ子の鼻先をくすぐるニャ


「あったニャ。えっと、ぬ子は雌猫女子だからこっちの赤い暖簾のれんの方だよニャ。間違って雄の所に入らニャいようにしニャいと。ぬ子のパーフェクトボディを見て雄達が興奮しちゃうからニャ」


 とりあえず、にゃかに入ってようかニャ

 と、そう思ったんだけど、真んにゃかにも入り口があるニャ。えっと、難しくて字が読めニャいや……でも、にゃんとニャく、真んにゃかに決めたニャン


 暖簾を潜るニャ


 にゃかの脱衣室には誰もいニャいみたい。もしかして、ぬ子が一番乗りかニャ?

 ニャふふふ、これは幸先いいニャ。この調子でレースも一番にニャってやるもん


 ぬ子は誰も居ニャいのをいいことに、つるんとありのままの姿に変身したニャ

 ちゃんとバスタオルをおっ○いに引っかけて巻いて、と


 これでよしだニャ! いざ、温泉へ!


 引き戸を開けると、真っ白な湯気がぬ子の視界を遮ったニャ。次第にそれは晴れ、目の前には大自然が広がったニャ。凄い、お外にお風呂が!!


「……ん? やぁ、ちみは確か、猫の人だね」


 んニャ!? だ、誰かいる!?



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