第27ニャ【すばりとツーショットニャ】


 騒がしかった猪達の町、イーストンで一泊したぬ子とすばりは、早朝からそそくさと町を発ち桃源山を目指すべくみにゃみ


 荒野を抜けると徐々に草木が見えはじめ、更に歩くと景色は緑でいっぱいに

 この辺りはかニャり自然が豊かだニャ。気候も悪くニャいし、もうここで昼寝して過ごしてもいいくらいだニャ


「すばり、お昼寝しよ?」

「駄目だ、この森を抜けるのに数日はかかるんだ。宿の豚が言ってただろ?」


 む、ケチ! ぬ子は猫ニャんだからお昼寝は生き甲斐ニャんだからニャ?

 でも数日の間、イース豚で買ったキノコしか食料がニャいとか、溜息しか出てこニャい

 猫神様から貰った旅の資金も無駄には出来ニャいし、安い食材でサバイバルするしかニャいという苦行。すばりも恐らくおにゃじことを考えてるんだろうニャ


 はぁ、ふかし芋食べたい、ミカン食べたい


 とめどニャく愚痴は溢れてくるけれど、この森さえ抜ければ桃源山に着くみたいニャ

 こうニャったら、ぬ子も頑張るしかニャいよね


「すばり〜、どんどん歩こうニャ! って、すばり寝てるしーー!?」


 昼寝している暇はニャいって言ってたのは何処のどいつニャ。しっかり眠ってるじゃニャい

 ツンツンしても起きニャいし、これはもう仕方ニャいよね。ぬ子は勝手に正当化してすばりのとにゃりで丸くニャったニャン


 ——


 こんニャ感じで昼寝を繰り返しニャがら、ぬ子とすばりは着実にみにゃみ

 買ったキノコも焼いたらそれニャりに美味しかったし、湖のほとりは最高の昼寝スポットだニャ

 ぬ子の町も、こんニャ自然豊かニャところにニャるといいニャ。みんにゃきっと喜ぶニャ


 そして森に入って三日目の夜、ぬ子達が辿り着いたのは小さな広場だったんニャけど、


「ニャ〜、綺麗だニャ〜!」

「こ、これはっ……幻想的だな……!」


 ひらけた場所を照らす月の淡い明かりが夜空から降り注ぎ、その周りを赤や青、黄色、ピンク、色んニャ色の光が舞っているニャ


「確か、猫神が言っていたな。森にはパワースポットがあると。どうやらここがそのパワースポットらしい。くくく、それにしてもこれは圧巻だな」

「本当に綺麗だニャ。これをみんにゃに見せられたらニャ〜」

「ん、そうだ。ならば写真を撮るか」

「……しゃしん?」


 すばりはポケットから例のすまぅとぽんを取り出してにゃにやら操作をはじめたニャ


「この角度が良さそうだな」

「えっ、ちょ、すばり!?」


 すばりが突然ぬ子を引き寄せてピッタリとくっついてきたニャ!? いやん、ムードににゃがされて行為に出るニャんてっ


 ——カシャ!!


「……へ?」

「ふぅ、やはり今の距離はキツいな……だが、見てみろ。これが写真だ」


 そう言ってすまぅとぽんの画面をぬ子に見せて眼鏡を光らせるすばり。額に汗をかいてまで、いったいにゃにを……

 はっ!? こ、これは!?


「ぬ子とすばりが閉じ込められてるニャ!?」

「くっくっく、これは魂を抜きとる魔法だ」

「そ、そんニャ〜、ぬ子、死んだのかニャ!?」

「嘘だ。これは人類の先進技術が生み出したカメラ機能でな——」


 その後、にゃがい説明を受けて、写真について理解したぬ子

 人間って凄いんだニャ〜


 二人とも、とてもいい顔しているニャ

 ぬ子の眼、めちゃくちゃ光ってるけどニャ


 ぬ子とすばりのツーショット、すばりはどうかは知らニャいけれど、ぬ子は忘れニャいよ


 ——今のこの瞬間のこと、絶対



 だってニャ、とても嬉しかったから——



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