第26ニャ【猪と豚の町、イース豚ニャ】


 程なくして、いーすとんに到着したニャ



「ありがとうごじゃいましゅ、猫? のお兄しゃん。それでは、イノはこれで」


 町に連れ帰ると目が覚めた猪の幼女ちゃん。舌ったらずなはにゃし方で丁寧にお礼を言って、


「猪ダァァァッシュ!!」


 物凄い勢いで去って行ったニャ……可愛らしい白のワンピースのバサバサとにゃびかせニャがら


「げ、元気な子だったニャ」

「だな」


 すばり死亡とか、色々あったけどにゃんとか他種族の町に到着したニャ

 猪と豚の町、イーストン——


「外見とは打って変わって、中々に賑やかで良い町並みだな。石造りの建物が殆どだが、しっかり塗装もされていて殺風景ではないし」

「そうだニャ。確かに、いい町みたいだニャ」


 そこらかしこで猪さんが突進してニャければね!

 これじゃこわくてまともに歩けニャいよ。はやく宿に逃げ込んでお昼寝したい

 突進する猪達の合間をのんびりと練り歩く豚達はにゃれたもので、びくともしニャい

 いったいどんな神経してるのかニャ?


「一先ず宿を取りたいところだが、少しエナジーも消費した。何処か食事の出来る場所を探すとするか」


 えー、この町を歩くのかニャ!?

 すばりもどんニャ神経してるニャ!? と、そんニャこと考えてると、すばりは豚達のように猪をかわしニャがら器用に先へ進んでいくニャ

 仕方ニャいからぬ子もその後を追って猪とニアミスしニャがら進むことにしたニャ


 激戦区のメインストリートを抜けたらのんびり屋さんの豚エリアに出たニャ。この道ニャら安心して歩けそうだニャ

 と、安心したら急におにゃか空いてきたニャ。多分すばりはもっとおにゃか空かせてるよね、昨日ぬ子がかっぷニャー麺、全部食べちゃったからニャ


「ん、あれは食事処ではないか?」


 すばりの指さす方に視線をにゃがすと確かにそんニャ感じの看板が出ているニャ

 ぬ子とすばりは顔を見合わせてはうにゃずき示し合わせたかのように店へ入ったニャ


 いらっしゃいませ、とぬ子達を出迎えたのは言うまでもニャく豚さんね。奥には猪のコックも見えるニャ。豚に案内あんにゃいされて席に座り、遂にメニューを開く時が

 ——どれどれ?


「タンポポの綿毛と雑草の炒め物、クセになる笑いキノコのチーズ焼き、生キノコ、よくわからない葉っぱの盛り合わせ、雑草フライ、芋、季節の果物……」


 すばりが次々とメニューを読み上げていくニャ。でも、葉っぱかキノコしかニャいよね。ぬ子的には芋か季節の果物くらいかニャ


「ぐっ……やはり宿で買い溜めしておくべきだったか……無念」


 確かに、これは人間のすばりにはキツいニャ

 ここは仕方ニャく、芋二つと果物を一皿頼むことにしたニャ。他はにゃんとニャく無理。メニューの名称がそもそも怪しいしニャ


「くっくく、やられたわ……豚や猪と言えば雑食だが、基本的には草やキノコをマフモフする生き物だったか……」

「動物界ではお肉はタブーだからニャ、基本的には野菜かさかにゃ、果物だニャ」


 こうして、ただ空腹を満たすだけの食事を終えたぬ子達は今日の宿を探す為、再び縦横無尽に行き交う猪達の戦場へ赴いたニャ


 死ニャずに宿まで辿りつけるのかニャ







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