第20ニャ【部屋は一つでいいニャ】



 はぅ……キョロキョロ……



「ん、少し休憩し過ぎてしまったが、夜になる前に雪山を降りるとするか。猫神の情報では山の麓に旅人用の宿があるらしい。確か低ランクの神が経営しているとか何とか」


 はっ! 宿? 低ランクって猫神様が言えるのかニャ……と、ぬ子がモジモジしていると、すばりは荷物を手に取って出発をうにゃがしてきたニャ。ぬ子は慌てて立ち上がりドアに手をかけたすばりに言ったニャ


「すばりっ……その、お、怒って、ニャい?」


 ぬ子がチューしようとしたの、すばり、絶対に怒ってるニャ……にゃんであんニャ事しちゃったかニャ。ぬ子の馬鹿馬鹿……!


「ん、何の事だ? ほら、夜になると色々と面倒だ。我の魔眼も無限に開眼している訳ではないのだからな?」


 えっと、それは眠たくニャったら寝るって意味だよニャ。少しずつすばりの変ニャ喋り方にもにゃれてきたニャ

 それはそうと、またはぐらかされたニャ


 ぬ子はすぐ後ろ、——にゃにゃめ後ろ辺りにピッタリくっついて、すばりの後を追うニャ


 ううっ、外、やっぱり寒いニャ

 帰ってコタツに入りたいニャ……コタツ、ミカン、コタツ! ミッカン!! ニャン!!


「何をニヤニヤしてるんだ? 逸れても知らないぞ?」

「その時はすばりが魔眼で捜し出してくれるニャン」


 にゃんだろう、ぬ子、どうかしちゃったのかニャ? すばりといると楽しいのに、おっ○いドキドキして苦しいのはにゃんでニャ?

 はっ! もしかして、成長期!?


「やったニャ〜ン!!」

「うわっ、何事だ藪から棒に!?」

「藪から棒でもマタタビでもにゃんでもいいニャ。ニャふふん♪」


 ご機嫌ぬ子の顔をキラリと光る眼鏡で凝視しニャがら頭をかくすばり。そんニャのお構いニャしだニャ。喜びで尻尾が勝手に動いちゃうニャン!



 ——



 ニャ、気付けば辺りが暗くニャりはじめている


 でもでも、キツい下り坂はもうお終いニャ。麓に到着したんだニャ


「すばり〜、あれ!」


 ぬ子達の視界には猫神様の言ってた宿が。あまり大きくはニャいけど、無事に到着出来て良かったニャ。すると、すばりは躊躇なく宿にイン


「ま、待ってニャ!? すばり〜!!」


 ぬ子も慌ててその後を追ったニャ。全く、すばりは落ち着いてるように見せかけて俄然せっかちニャ


 あ痛っ、閉まるドアにお尻が!?

 レディのお尻を挟むニャんて、失礼なドアだニャ!


 威嚇のポーズ! シャーーー!!


「おーい、チェックインするからはやく来〜い」

「ニャ、は〜い!」


 にゃんでだろうか、すばりの落ち着いた声には逆らえないニャ。ぬ子は尻尾をフワフワさせニャがらすばりのすぐ後ろに

 すばりがカウンターのおんにゃの子と手続きをしているニャ。頭に変ニャ輪っかが付いてる。無性に猫パンチしたくニャる浮き加減でほんのり光を発してるニャ、ムズムズ


『お客様、二名様デスね〜。部屋は二部屋ご用意したほ……』

「部屋は一つでいいニャン!」

『かしこまりました〜! それでは、お部屋にご案内しま〜す!』


 テンション高いニャ、この子

 にゃしし、でもこれで同じ部屋だニャ〜、と、ぬ子がふとすばりを見上げると、すばりの眼鏡がキラリと光ってたニャ

 でもでも、ぬ子は気にしニャいもんね。言ったもの勝ちだもんニャ〜♪


 こうしてぬ子とすばりは輪っか女子の案内あんにゃいで部屋まで通される事になったニャ


 ——






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