第15ニャ【ミカン剥いてニャン】
ぬ子は今、全力で四足ダッシュ中ニャ
雪がめちゃくちゃ吹雪いてて前がよく見えニャいけれど、全力で
ま、
一頻り走るとすばりの家が見えて来たニャ
雪山にポツリと、人知れず存在する洞穴の
ぬ子はその洞穴に、撃ち放たれた大砲の弾のように飛び込んだニャン。そこにはコタツで暖を取るすばりと猫神様が
ぬ子は身体に積もった雪をはらって軽く毛繕いをしてからちゃんと挨拶をするニャ
「すばりの家に到着! お邪魔しますニャ〜」
『いや儂の家な』
「猫神様っ、ミカン剥いて〜」
『……ブレないのぉ、お主……ほれ、ミカン』
猫神様は優しいニャ〜、はむはむ、ミカン美味しいニャ〜、はむはむ、
「すばり〜、久しぶりに会えて嬉しいニャ〜!」
「ふっ、猫め。我に懐くでないわ」
「すばりの買ってくれたマフラー、あったかいニャ〜、ありがとニャン」
「くっくっく、それはマフラーではなく首輪だ。ぬ子は我のペットという事だ」
すばりが眼鏡をクイックしニャがらよくわからニャい事を言ってるニャ。ペットって、もしかして、人間の言葉で愛してる的ニャやつかニャ!?
そうかニャ、すばりはやっぱりぬ子の美貌に一目惚れしていたニャ! だからマフラーも買ってくれたんだニャ〜♪
『お主の脳内は都合良すぎな。顔を見ただけで残念な妄想が読み取れるわい。簡単に誘拐されるタイプの仔猫じゃな』
ニャふふん、ぬ子、変ニャ顔してたかニャ?
「それにしてもぬ子よ、眼の下が赤く腫れているが、何かあったのか?」
あ、忘れてたニャ
すばりの言う通り、今のぬ子の眼の下は真っ赤にニャって腫れているニャ
「お父ちゃんに猫パンチしたら怒られたニャ」
「じ、自業自得だな」
「だって、お父ちゃんがすばりの事、悪く言うから……ついニャッ! とニャって強烈なのをお見舞いしてしまったニャ。ふん」
「……ま、まぁ無理もなかろう。可愛い娘に男がついて来たとなれば、父親は心中穏やかではいられまい。それに、玄関をぶち壊して、我オンザぬ子ヒップで登場となれば尚更の事だ
父親が怒るのは、ぬ子が大事であるからだろう。くっくっく、親の心子知らずとは良く言ったものだな」
はっ!! そ、そうだったのかニャ……
お父ちゃん、ぬ子の事心配してたから……怒ってたんだニャ……
「すばり! ぬ子、謝って来るニャ!」
ミカンを丸呑みにして、ぬ子はコタツから飛び出したニャン! お父ちゃんにゴメンニャサイしニャいと! 急ぐニャ!!
☆ぬ子の
「お父ちゃん、泣いて許してくれたニャン!」
『い、忙しい奴じゃな、お主』
あれ? 二人して
むぅ、怪しいニャ、まさか、浮気!?
「ふっ、ぬ子よ。良かったではないか。親は……大切にしないといけないからな。さて、そろそろ旅のプランを立てるべきではないか? 出立の時は近いのだろ?」
ニャ、無理やり
「プラン?
『そろそろじゃと思ったわ、ほれ』
「わーい、ありがとニャン。ミカン、美味しいニャ〜……って、そうだったニャ!?
ぬ子とすばりは十二支レースに出るんだったニャッ!! ……すばり、プランってどんニャ味?」
「断じて食い物ではない。プランと言うのはだな……」
ぬ子とすばりはこれからの行動予定を決める為、色々と
その結果、開催の一週間程前にこの雪山を出発して、南に位置する桃源山の麓に向かう事に。確か、温泉とかいう大きニャお風呂があるって、猫神様が教えてくれたニャン
道のりは猫の脚で三日
大事をとって早目に出発する方がいいと猫神様が言ってたニャ。途中の街や村で色々見て回るのも一興だとか。確かに、すばりと色んニャ所に行くのは楽しそうだニャン!
『ぬ子よ、ほれ、ミカンじゃ。今のうちに食べておくのじゃぞ?』
「お〜、猫神様〜、わかってるニャ〜!」
猫神様の琥珀色の瞳は、本当、優しい瞳ニャ。猫神様、本当にお婆ちゃんみたいで、ついつい甘えてしまうニャ
ぬ子はお婆ちゃん、大好きだったもん
もう死んじゃって居ニャいけど、猫神様を見てると思い出すニャ
とはいえ、猫の見た目は大体三歳くらいから変わらにゃいから、ぬ子とあまり変わらニャい容姿ニャんだけどニャ。猫神様の白黒ブチ模様、可愛い
——こうして時は
ぬ子とすばりが出会ってから三週間が経過したニャ。決戦の地に向かう時が刻一刻と迫る
それは、——親の承諾ニャ!!
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