第8ニャ【初エンカウントニャン】
う、腕を掴まれたぬ子は、身動き取れずに仰向けで、参りましたのポーズを取らされたニャ
突然の事過ぎて、頭が付いていかニャい……と、とにかく、く、屈辱的だニャーーッ
——
ニャ、
「おかしいニャ、
顔が熱いニャ……違う、身体全体が熱を発して、変ニャ気分だニャ。マタタビ? 違うニャ。これは目の前に居る奴の所為だニャ
黒い髪、先の方が少し赤みがかってる、そんニャ髪がぬ子の頬を
すると、思考を巡らせていたぬ子に、目の前の
「いや、誰かは知らんが、おっ○い無いだろ」
「はい?」
「て、手を
——
暴れるぬ子の上で首を傾げた奴は、ぬ子の顔に自分の顔を近付けて来たニャ!? や、やばいニャ!
ぬ子はまだお子ちゃま、じゃ、ニャいけど、でも、そんニャ!? だ、駄目ニャーーッ!!
「ん〜、これは……夢か……? 良くわからんが、お前、綺麗な眼をしているな……」
やけに落ち着いた、声、
「は、はぁ〜!? いいから
——
コイツ、今、
「ぬ子の眼、綺麗かニャ……?」
「ん……まぁ。つうかさ、お前、何で猫耳なんか付けてんの?」
「つ、つつ、付けてるんじゃニャくて、生えてるニャ……」
人間の
あろう事か、ぬ子の大事な部分を握ったニャ!!
当然、「ふニャァァッ!!」っとか声が漏れてしまう始末……
「……へぇ、本当だ、ちゃんと根本もある。お前、猫なの?」
「……ぬ、ぬ子の
「おーい、聞こえてるかー? ん、身体が痒い……これはいよいよ、本当に猫みたいだ。我の身体の反応が何よりの証拠」
え、我って……その一人称はニャいよ、その風貌で……というか、いやいや、
意味わかんニャい事言ってニャいで、その手を
——お母ちゃん、ごめんニャさい
ぬ子は、——ぬ子は何処の誰かも知らニャい人間の
こんニャ親不孝者のぬ子を、どうか許してニャ
ぬ子より——
ち〜ん……お尻ぺんぺんが恋しい……
……あれ? 人間が
動けるようにニャッたし、とりあえずおっきニャン。ヨイショ
起き上がると、目の前で身体中を掻きむしる人間の姿が見えたニャ。良くわからニャくて瞳を瞬かせ、首を傾げたぬ子に猫神様が声をかけてきたニャ
『どうやら、人間を召喚してしまったようじゃな。お主がマタタビをポイなんてするからじゃぞ?』
「いやいや、ポイする前にコイツ出て来たでしょニャ」
ぬ子は握られてジンジンする尻尾を両手で抱きながら、息を荒げて肩を上下させる人間を見つめていたニャ。すると、人間が徐々に落ち着きを取り戻してきて、大きく深呼吸をしたニャ
「はぁ、はぁ……
「お、お前……誰ニャ!?」
「それは我の台詞だ……お、おい、近付くな猫。我は猫アレルギーなのだ!」
ぬ子が近付こうとすると、人間が凄い形相で
そして地面に落ちていた輪っかが二つ付いた物を拾って、顔にくっつけたニャ
変ニャの、
「……眼鏡が無事で良かった……」
「めがね?」
「ん、この魔道具の事だ。我は眼が悪いから、コレをかけてないと視界がボヤけるのだ。しかし、うーむ、こうして良く見ると子供だな」
おっ○いニャいとか、子供とか、初対面で失礼過ぎる奴め! おまけにぬ子の、し、し、尻尾まで握ってからに! このえっち!
『ほれ、人間のお主や。お主は儂らによって異世界召喚された訳じゃが、とりあえず、そこまでは良いかな?』
「うむ、理解した」
『お主、環境対応能力ハンパねーな』
「ここで驚いても何も状況は変わらないのだろ? なら、現実を真摯に受け止めるまでだ。おっと、これ以上は近付かないでくれよ? さっきも言ったが、我は猫が苦手だ」
コイツ、
でも、コイツはぬ子の眼を馬鹿にしなかったニャ
はっ!
それに、近付くニャって言ってるしニャ……
むぅ、変ニャ奴
眼鏡とかいう魔道具を付けたことで印象がガラリと変わったニャ。さっきまでの鋭く凍り付くようニャ瞳も少しばかりマシにニャった
背は、ぬ子より全然高いニャ。見上げる程に。でも、ガタイがいいって訳でもニャく
髪は黒でサラサラしてて先は少し赤みがかってて、ちょっと前髪が眼を隠してる
ぬ子と似てるニャ……
「おい猫。何をジロジロと見ている?」
「お、お前……ぬ子と一緒に十二支レースに出ろニャ。その為に呼び寄せたんだから!」
「断じて、断る!!」
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