第6ニャ【血は争えニャい?】


 ぱく、ぱく、ミカン美味しいニャ〜♪


『お主、何しに来たのじゃ……』


 シャムに猫パンチを喰らわしたぬ子は一目散に猫神様の住む洞穴へ向かって、とりあえずミカンをもてなされてやったニャ

 猫神様も嬉しそうにミカンの皮を剥いてるニャ。相変わらず、凄い肉球さばきだニャ〜


「でニャ〜、シャムの奴、ぬ子のお姉ちゃんのこと馬鹿にしたニャ! だから、猫パンチしてやったんだニャ!」

『へー、そうかー、良かったねー』

「お姉ちゃんは変じゃニャいんだもん。優しくて、可愛くて、美人で、ん? か、格好良いニャ」

『お主、そのお姉ちゃんと言うのは、お主と良く似た顔立ちのボインちゃんの事か?』

「あ、猫神様! ミカン剥いてニャ〜」

『自由過ぎるじゃろお主……ほれミカンじゃ』


 わぁーい。猫神様がまたミカン剥いてくれたニャ。にゃんだかんだで優しいんだから、猫神様のツンデレ〜。んん〜美味しいニャ〜ミカン


「って、そんニャ事はどうでもいいニャ!? 猫神様、お姉ちゃんを知ってるかニャ!?」

『それ、儂の台詞な

 ——と、ま、まぁ、多分じゃが一年とちょっと前にお主に良く似た娘が、——おっ○い以外、お主に良く似た娘がここに来て、お主みたいに過去の話を聞いてきた事があってのぅ』

「い、いちいち、おっ○いのところ言いニャおすニャ。そ、その猫って……もしかして、こんニャ眼をしていたかニャ?」


 猫神様ニャら見せても笑わニャいよね。

 ぬ子は高鳴にゃる鼓動を抑えて右眼、——ピンク色の瞳を見せてあげたニャ。いつも馬鹿にされるから隠してる右眼ニャ

 すると、猫神様がにゃにか思い出したように手を叩いたニャ、ポプンッて


『おお、そのピンキーな右眼と晴れた空のように青い左眼、まさしくあの時の娘と一致するのじゃ

 ——おっ○い以外は、完璧に一致じゃぁ!』


 コイツ、わざと言ってるかニャ?

 それはさておき、お姉ちゃんで間違いニャい。一年前、ここにお姉ちゃんは来ていたんだニャ


 ぬ子は猫神様に、お姉ちゃんの行方を聞いてみたニャ。けれど、猫神様も知らニャいみたいニャ。

 知らニャい理由がマタタビってる間に居なくニャってたってのが猫神様らしいけど


「お姉ちゃんは猫の復権の為に神様に会いに行くって言ってたニャ。猫の未来の為に頑張ってるお姉ちゃんをみんにゃ馬鹿にするニャ……そ、そうだニャ! ぬ子も神様に文句、じゃなくて、お願いしに行くニャ! 第二回十二支レースを開催してもらう為に! そこで勝てれば晴れて猫も十二支入りだニャ〜!」

『血は争えんのぅ、お主、あの娘と同じ事を言っておるぞ。それに、あれはレースではなくだな……まぁ、良い

 ……その時、儂はお主の姉にやめておけと言ったんじゃよ? しかしな、話も聞かずに、いつの間にか飛び出してしもうてたわい』


 マタタビでフニャッてる間に居なくニャったんでしょうが

 猫神様と一緒に居るのは楽しいけど、こうしちゃいれニャい。ぬ子もお姉ちゃんみたいに旅に出る!


「猫神様、バイバイ!」

『あ、こら待たんか!?』

「ニャ〜、ぬ子には時間がニャいんだ!」

『いやじゃから、儂が神様に電話してやるから、ちょっと待っとれっちゅうの。この阿呆が』


 いたっ……ま、また叩いたニャ〜……うぅ

 頭を押さえるぬ子の前でにゃにやら四角くて平べったいモノを取り出した猫神様は、それをモフモフした耳に押し当ててるニャ。


『あ、もしもし、猫神じゃが……あ、あはは〜四百年振りじゃな、ちょ、そ、そんなに怒るでない。いやな、うちの仔猫が神様に文句があるって言うからのぅ? うむ、そうそう、聞くだけ聞いてやる?』


 えー……遂に一人で喋り始めたニャ

 一人暮らしがにゃがいと、こうなってしまうのかも。——って、にゃに

 猫神様が謎の魔道具四角いやつをぬ子に差し出してきたニャ? と、とりあえず受け取ってしまったけど、コレ、どうするニャ?

 ぬ子は見様見真似で垂れた耳をめくって、ソレを当ててみたニャ。


 ——すると、


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