1/6 今更「半分、青い」の演出意図に気付く

 おはようございます。


 早速ですが、録画していた今期一番見たかったアニメ「映像研に手を出すな」を先ほど視聴しました。期待した通り楽しいものでした。なんといっても伊藤沙利さんの声がよすぎる。いいよねえ、あのハスキーで低い声。

 湯浅政明さんのアニメーションはちびまる子ちゃんやクレヨンしんちゃんの時から好きだったんだよ~、「マインドゲーム」だって見に行ったんだよ~……とイヤな感じの古参ファン面してしまいそうですが、最近の作品がとんと見れておりません。メジャーになってしまったからイヤだ、とか、めんどくさいファン心理によるものではなく、単純に映画館に映画を見に行くのが非常に難しい環境と状況にいるためです……。本当はルーの歌も波に乗る映画もみたかった……。


 それはさておき。


 突然ですが皆さま、朝ドラは視聴されますでしょうか?

 別エッセイでも語ったような気がしますが、私はここ数年よほどの事情が無い限りは必ず視聴しております。視聴したものの中でのベストは「カーネーション」、次点「あまちゃん」、あとは順不同で「おひさま」「純と愛」「ごちそうさん」「べっぴんさん」「ひよっこ」あたりがお気に入りだったりしますね。

 

 朝ドラといえばドラマの出来不出来に加えてSNSでの反応合戦やファンとアンチの場外乱闘など、作品を媒介にした楽しみ方もいまやメジャーですし、あれで案外続き物のお話はどう作るかの勉強になったりするような気も致します。

 個人的に注目しているのがナレーションの位置ですね。今期「スカーレット」などでは典型的な天の声方式を採用していますが、案外多いのが前期「なつぞら」などでも見られた故人の声。これが結構面白いのです。「ごちそうさん」ではぬか床にやどったヒロイン祖母の声などトリッキーなことをやっていました。

 トリッキーといえば、「純と愛」でのナレーションは、他人の心の声が聞こえる能力を持つヒロインのパートナー(後に夫になる)が受信していたヒロインの心の声だったと明かされた中盤にはあっと声をあげてしまいました。こういうので驚かされるのが私は結構好きなのです。悲しいことに悪評の方が圧倒的に目立つ(お前絶対見てないだろ! って人からも悪しざまに罵られる)ドラマだった「純と愛」でしたが、毒親、愛玩児と搾取児の問題にも切り込んでいた所が私は好きだった……。いつか再評価されることを期待したいものです。


 と、マクラをいくつか置いた上で語りたいのは2018年前期朝ドラの「半分、青い」ですよ。


 このドラマもどちらかというと、賛否の否の方が目立つドラマでしたね。私も素直に楽しめたとは残念ながら言い難い。

 というのも細かなディティールにちょいちょい引っかかりを覚えていたためですね。覚えている範囲でいくつかあげてみましょう(※以下、「半分、青い」を見てない方にはなんのこっちゃな内容になるかと思われます。前もってお断り&お詫びを申し上げます)。


 ・少女漫画家がおじさんなのは別にいいとして、『別マ』『別フレ』クラスの少女漫画雑誌で看板はってる少女漫画家のサイン会&トークショーを新聞告知で知るというのは不自然じゃ……?

 雑誌主体のイベントを組んで、その後その雑誌の読者向けに告知するもんじゃ……?


 ・でもって、その第一線の少女漫画雑誌でばりばりに看板張ってる少女漫画家のトークショーに少年少女読者がヒロインたち以外にいなかったのは大きな演出ミスではないのか? 


 ・最寄りの都会である名古屋まで電車で片道二時間かかるらしい岐阜の梟町。なのに母親と最期の時間をすごすために家電メーカーの名古屋支社に単身赴任していたヒロイン、すずめの幼馴染、律(演者は佐藤健)(単身赴任前はロボット開発チームのリーダーで妻子とともに大阪に住んでいた)。通勤に片道二時間かけているわりに、どうみても夜の七時台には地元で幼馴染たちと飲み屋でくっちゃべっていた……。その勤務形態が謎すぎる……。家電メーカーがホワイトすぎる……。


 ・結局、すずめはお母さん(演者は松雪泰子)が世界一周旅行のためにこつこつと溜めていたへそくりを返したのか? 

 つうか自分の事業のために親のへそくりをアテにするってそれはどうなのか? すずめよ。


 そもそもすずめはアイディア先行型にも程があったよなぁ。お金のこととか面倒なことは人任せでさぁ……と、ぶつぶつ考えたくなるわけですが。



 すずめが最終的には画期的な発明をするくらい根っからのアイディアマンで、何か欲しいものや自分が必要だと思ったものはとりあえず自ら作ってみようとするアグレッシブなヤツであったことや、なにかしら珍しく人の興味をひくギミックのある装置に心惹かれやすいことは子供時代から一貫して描写されていたのだった。ドラマのアレな部分に目がいってしまって、そのことになかなか気づけなかったけれど!(別に「!」で強調するようなことでもないけれど)。


 第一週では、天国のおばあちゃんと話ができないかと糸電話に工夫をしてみたり、高校時代に初めて訪れたデートではかつて使用された囚人への拷問器具に異様な関心を示したり、後にそれなりにヒット商品を生み出す発明家の素養はあったんですよという風には描かれていたじゃないか! 


 今朝方、ドラマも終わって一年以上経ってからようやくそのことに気付いて、多少ショックをくらったのです。ああ、細かい点が気になって製作者の意図に気付けていなかった……。


 そしてこれ今書いている時に、序盤の糸電話と、東日本大震災で被災して亡くなる友人の声が吹き込まれた携帯電話のメッセージはちゃんと呼応してたんだなと気づく始末。最終週でとってつけたようなエピソードぶち込んでなんのつもりだろうといぶかしむことしかできなかった当時の自分を一喝したい。

 思えば、遠方に居る人と会話ができる玩具だかマシーンだかの「ぎふ犬」もあの糸電話につながるアイテムだったんですね……。「こんなぬいぐるみに悩みごと打ち上げたりせんだろう、高校生がさぁ」としか思わなくてごめんよ。


 ――とまあ、上手く楽しめることのできなかったドラマの意図に今更気づいて猛烈に反省したわけですが、かといって別に「半分、青い」の評価そのものは特に変わらないのでした。

 やっぱねえ、親のへそくりを勝手に事業資金にしちゃあイカンよ、すずめよ……。


 

 ネタが不足しているこのエッセイ、たまにこういうテレビネタも挟んでいくことかと思われます。すみません。


 ・本の話……

 読むのに疲れて一休みしております。

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