第2話
そんな私にびっくりした顔を見せる柚季くん。
「なにひてるんでふか、へんはい」
ほっぺたをつねった状態で喋ってるから、柚季くんが何を言いっているのか分からない。
でもそれがまた、かわいい。
「ほっぺためちゃくちゃ伸びそうだなーと思って」
「はなひてくだはい」
「なに?なんて言ってるか全然分かんないよー?」
そう言った瞬間だった。
柚季くんが私の腕を力強く握るもんだから、ぷにぷにのほっぺたから私の手が離れてしまった。
「先輩、いい加減にして下さい」
あ、やばい、柚季くん怒っちゃった?
ふざけ過ぎちゃったかな。
「ごめんね、つい」
「ついじゃないですよ?さっきから何なの?」
え?
あの真面目な柚季くんがついにタメ口…?
やっぱり怒ってる…?
それに、さっきから握られている腕が少し痛い。
「ちょっと腕離して」
「ダメ」
「もうほっぺた触らないから」
「そういう問題じゃないんですよ」
「え、」
じゃあ、どーゆう問題…?
「ずっと俺のこと見ておいて、あげく先輩から俺に触れるなんて」
ん?
触っちゃダメだった?
頭にはてなが浮かんでいる私を見て、柚季くんは眉間にしわを寄せた。
「先輩、俺が後輩だからって油断してません?」
「え?」
柚季くんはそう言ったかと思うと、私の腕を握ったまま、椅子をぐっと私に近づけた。
すぐ近くに柚季くんの顔。
っ…!
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