最終日 アメリカ最南端の受難
キーウエスト、旅の終わりの始まり
こんばんは。
今はマイアミ空港のターミナルで飛行機を待ちながら執筆しています。日本だと何かを書いていると気になるのですが、海外だと空港でも、飛行機内でも執筆が出来るので良いですね。
今日は最終目的地のキーウエストを回りました。
朝、この旅で最も値段が高く、最も程度が低かったホステルで寒さに震えながら起きました。共同の空間に二段ベッドが押し込まれており、二段目は気を付けないと頭を天井に打ち付けるような造り。決して広いとも、綺麗とも言えないホステルの共同ドミトリー。ニューオーリンズのホステルとは次元が違いますね。寝るだけなので良いかと思いましたが、共同のエアコンが20度に設定されています。なのに、掛布団がシーツ一枚って……。アメリカ人仕様かー。上はパーカーを着ていたのですが、下は短パンだったのが判断ミスでしたね。寒かったです。笑
それが丁度いい感じに目覚ましになってくれました。
眠い目を擦って、頭を打ち付けないように起き、支度をして散歩に出かけました。
目指すは歩いて10分もかからない場所にあるSouthernmost Pointです。アメリカ合衆国の最南端を示すマーカー。
陽が高くなると写真を撮る人々が列になっているというポイント。ただの道端にポンっと2mくらいの簡単な樽型のモニュメントがあります。ペンキで「最南端」と書かれています。朝7時台だと人も疎らで列は出来ていませんでした。
砂漠からここまで来たんだなー、と何だか感慨深かったですね。
さっと写真を撮って、道の反対側からも引きの写真を撮ろうと道路を渡って、振り向いた瞬間、突如、後ろの家の庭から「クックドゥードゥルドゥー!」と大きな鳴き声が聞こえ、びくっとして振り向きました。
すると、そこには立派な野良ニワトリが……。
やっぱり、ちょっと待ってください。
ニワトリの鳴き声はクックドゥードゥルドゥーって聞こえないですよね。どう聞いても「コケコッコー」の方が近い気がします。アメリカ式は視覚的にも声音的にも長いし。これだと、勢いで笑わせる系の芸人が突如庭から出てきたようです。
擬音語に限らず日本語のオノマトペの豊富さは、物事の雰囲気を伝えるのに便利ですよね。「ぬめぬめ」とか「ぬらぬら」とか「もにゅもにゅ」とかが好きです。ん、話が逸れた。
キーウエストに戻りましょう。
キーウエストではニワトリがそこら中にいます。その後も、いたるところでニワトリの鳴き声が聞こえていました。我が物顔で道路を歩いているので和みます。ヒヨコを連れていたりするともっと和みました。
ニワトリを少し観察した後、元来た道を引き返します。
すると途中に、綺麗な海岸が開けていたので、立ち寄ってみると砂浜のすぐ脇にカフェとスターバックスが併設されているではないですか。
僕はカフェラテグランデを買い、オープンテラスのハイチェアーに座ります。ちょうどヤシの木が赤く燃える朝陽を遮り、陰になっていたので眩しくはありません。
打ち寄せる波と、水面に移る朝陽の太い筋。軽く青い空は今日も爽快な風を送り込んでいるようです。朝陽に切り取られてくっきりと黒いシルエットを残すヤシの木と看板代わりの大きなチェアーと、目の前のカフェラテ。
まだ日が昇っていないので、気温も丁度良く、目の前に広がる素晴らしい風景を眺めながらコーヒーを飲みます。
すみません、プラスアルファでインスタを更新していました。そりゃ、しちゃうよね。こんな景色を見て朝カフェなんてしちゃったら。こればかりはカクヨムアカウント(Askew_kakuhito)でも、カヤッキングとバイーヤホンダビーチの前にフライング更新しちゃいました。というか、プライベートアカだと思って誤爆しました。
それほどに(?!)素晴らしい情景でした。
早起きは三文の徳、と言いますが、その通りですね。
エアコンの設定温度が20度で良かった。
と、過ぎたことも良い事のように変換することが出来ました。
ゆっくりと朝陽が昇るのを眺めながらコーヒーを飲み干し、軽くなった足でホステルに戻ってチェックアウトします。
中心街に近いパーキングに車を停めなおした後、歩いて中心街の観光を始めます。
まずは、ヘミングウェイの家。
お恥ずかしながらヘミングウェイは読んだことがないのですが、物書きとしてお家は見たいと思っていたので、お邪魔しました。
これで創作意欲がマシマシに……!
とかは特になく、出てきた感想は「猫可愛い」です。
ヘミングウェイの愛した六本指の猫、Snowballの子孫たちが館内のいたるところでくつろいでいました。
広いお庭で寝転がっている子もいれば、屋根の縁で寝転がっている子もいて、噴水の水を飲んでいるかと思えば、テラスの椅子の上で丸まっている。
ここでヘミングウェイが……。という感動もありましたが、印象に残ったのは猫ですね。猫好きは行ってみて下さい。超癒し空間だと思います。
ちなみにですが、ヘミングウェイは朝6時から正午まで毎日執筆し、500~700語の筆の速さだったようです。ある翻訳家の料金体系では大体220語~225語で400字と計算するそうで、それだと900~1300字くらいの分量ですね。
決して速筆ではありませんが、歴史に名を残すのに必要なのは筆の速さではないと感じさせられました(ネット小説ではまた別の戦略が必要ですけどね)。
たっぷり猫ハウスを堪能した後は、目抜き通りのデュバルストリートへ。ここでもニワトリが闊歩していて、自由だな、と呟きました。
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます