九日目 明けましておめでとう 元旦はまたしてもあいつに会ってきたよ
年の終わりと始まり
明けましておめでとうございます。
アメリカでもついに2020年を迎え、PCの表示が2020になっているのにまだ違和感がある僕です。
ここでは軽くマイアミの年末年始について書きましょう。
白い綺麗な砂浜が続くマイアミビーチ、暖かい気候も相まって冬の季節は多くの人々が羽を伸ばしにくる活気のある街です。北のオーランドまで足を伸ばせば、ディズニーやユニバーサルスタジオがありますし、南に行けば海の上に浮かぶ島々。
バカンスにはとても良い場所だと思います。
とはいっても、マイアミと言えば、マフィアとドラッグで有名であることも事実。夜中に一人で出歩くな、なんてどの日本語の観光サイトにも書いてあります。
行ってみた感想をお伝えします。
「人が集まる時間と場所であれば、一人で夜道を歩いても問題ない」
至極当たり前な提言ですね。
用心する必要も、準備する必要もありますが、必要以上にビクビクすることはないと思いました。
ホテルは高すぎるので、Airbnbで宿を探していた訳ですが、今回はあえて貸し切りは止めました。治安が悪いことで有名なダウンタウン周辺が多かったことが原因です。
空港近くにシェアルームとして貸し出しているお宅を見つけたので、そちらを手配しましたが、これが素晴らしかった。もう一度、マイアミに来るなら泊まりたいと思える綺麗さと過ごしやすさでした。Mike&その他の人の感じがすごい良かったというのはもちろんあります。
そして、昨日、大晦日の夜は飲みたかったのもあるので、Uberを使ってマイアミのサウスビーチという所まで行くことにしました。着いてみると大通りでは大勢の家族連れやカップルたちが練り歩き、特別遅くまで開店しているレストランで食事を楽しんでいます。
Madonnaというクラブの前でUberのおっちゃんは降ろしてくれ「あれが有名なクラブだ! いいぞ!!」と教えてくれました。ストリップっぽかったのですが「良い感じだね!!」と相槌を打って、クラブとは反対方向に向かいながら気持ちよく別れました。
そこから、大通りに沿って南下しながら入れそうなレストランを探します。
レストランが密集しているゾーンは並んでいる人がいるくらいだったので、目星をつけていたレストランもスルーして、てきとうに入れる店を探します。少し下ったところにイタリアンがあったので、そちらに入りました。
頼むものはもちろん店で一番高いもの。
「白ワインとロブスター下さい」
ロブスターには価格が書いていません。
つまり時価です。
「今日のロブスターは48ドルになりますがよろしいですか?」
店員は尋ねます。
――思ったより安いな。
もう感覚がマヒしているのは年末のせいということで、過去に流しました。
ぱっくりと二つに割られたロブスター。
ロブスターの下にはトマトとパスタが敷かれてあります。
僕は仰々しさを醸し出そうとしながら、ゆっくりと賞味し始めました。
もうこの段になると、いよいよ「結婚できない男」のようで笑えてきたのが、面白かったです。
今年の締めはロブスターだな。
と、満足しながら僕は綺麗に完食します。
ごちそうさまでした。
美味しかった。
なにより店員さんが可愛かった。
そんな感想を抱きながら、揚々とレストランを出て、ビーチに向かいます。
ビーチ前のホテル通りでは、路地は歩行者天国となっており、路地にも仮設のダイニングスポットがずらずらと並んでいました。
大勢の人々が通りを歩いたり、芝生にビニールシートを敷いて宴会をしていたり、すでにクラブ会場と化したブースで踊っていたり、と思い思いの方法でその時を待ちます。
マイアミではビーチ、ダウンタウンの公園で毎年無料のカウントダウン花火が打ち上げられます。そして人々はその花火と共に新年を祝うのです。
いよいよ、年越し5分前。
1分ごとにDJが「あと5分!!」と叫ぶと「Yeah!!」と観客が湧きます。
そして、それが4回繰り返され、遂に秒読み単位に。
でも、ここで誤算が。
日本人の感覚だと、カウントダウンして、新年を迎えて、それと同時に花火が夜空にどーん!! たまやー!!
じゃないですか。
だから僕は面食らいましたよ。
「あと20秒!!」
DJがそう叫んだ時、会場の空気も盛り上がり、その声が聞こえる人々の心の中にもワクワクとした気持ちが湧いていたと思います。
――カウントダウンがはじまるぞ。
僕は携帯の録画ボタンを押して、あたりの雰囲気を撮り始めます。
その時、不意に背後で炸裂した火薬が空気を震わせたのです。
僕はハテナを付けて振り返りました。
「え? もう花火あげてしまうのん?!」
突然のことに心もカメラもフラフラと揺さぶれらましたが、時は待ってくれません。
「9! 8!」
更に不意に始まるカウントダウン。
というよりも大量に咲く花火の音が大きすぎてDJの声ですら、聞き取り辛くなっているのです。
「4! ……2! 1!」
「Happy New Year!! Foooo!!」
みたいな感じでした。
思ってたのとタイミングはちょっと違いましたが、その後も大輪が空に咲き続け、僕は2020年を迎えたのです。
2019年の残り20秒ほどで、サプライズを二度食らうという面白い年越しでした。
ということで、皆さん、今年もよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます