四日目 ニューオーリンズに連泊、ホステル童貞卒業

大戦をアメリカから捉える、National WWⅡMuseum


 こんばんは。

 今日は朝から盛大なやらかしをしてしまいました。


 ホステルということもあってか、比較的静かに寝た木曜日(いびきアプリを使っています)。朝の7時半のアラームより10分早く目が覚めました。

 ホステルのお洒落な共同食堂で無料朝食がついて来るので、ここぞとばかりに食べに行きます。ベーグルとゆで卵とシリアルの典型的な朝食レパートリーと言う感じでした。


 朝食に満足したのか、今日は運転しなくても良いという安心感からか、一度ベッドに戻った時に睡魔が……。やっぱり、睡魔は悪魔ですね。8時に寝て、8時半には起きるつもりだったのに……。


 はい、皆さんご存知二度寝の悪魔が到来しました。


 どうして二度寝はあんなにも気持ちが良いのでしょうか。程よくお腹が満たされて、今日は時間に余裕があるという解放感からか、ついつい悪魔の囁きに耳を傾けたのが運の尽き。気が付けば時計の針は10時を回っていました。


 急ぐことも無く準備を始め、今日のメインであるNational WWⅡ Museumへ行きます。その名の通り第二次世界大戦をメインにした博物館です。結局、着いたのは11時半。博物館を回るにしても、昼に予定していたケイジャン料理のお店のCloseは午後2時。

 どう考えても、ゆっくり見ていたら間に合いません。そのため、全館の構造だけ把握する強硬策に出ました。こちらの博物館はヒューストンと同じく、タグを配ってタグが付いていたら、入館可能というスタイルだったので、苦肉の策で一先ず流し見して、ご飯を食べた後、再び戻って来てじっくり見るという、なんとも効率と頭の悪い見学方法を取らざるを得ませんでした。


 でも、どうしても行きたかったんです。Bon Ton Cafeというお店に。


 ルイジアナ州のニューオーリンズと言えば、フレンチクォーター。かつてフランスの統治下にあり、フランスの影響を強く残している区域です。そして、アメリカに移住したフレンチが永住することになったルイジアナでは、彼らはケイジャン(アルカディアン)と呼ばれるようになりました。


 ケイジャン料理は地元の食材を使用した素朴な料理のこと。僕は元々アメリカに来てから食べたジャンバラヤ(パエリアを祖に持つ、肉と野菜と米の炒め物)が大好きなこともあって、本場のケイジャン料理が楽しみで仕方ありませんでした。


 そして、このお店で楽しみだったのはCrayfishのÉtoufféeです。Crayfishって日本でも有名ですよね。ほら、池とかで釣れるあの身近な生物ですよ。

 

 僕も近くの大学の小さな池でよくスルメで釣りました。

 可愛いんですよね。アホみたいにスルメに食いつくので。


 はい、ご存知の通り、Crayfishとは「ザリガニ」のことです。


 ザリガニがトマトベースのスープで大量に茹でられ、ご飯と一緒に頂くというとてもユニークな料理です。トマトと魚介の旨味が凝縮され、ご飯と一緒にスープとかきこむ一口は美味……!! 味はそのままエビですね。伊勢海老とロブスターみたいなものです(違う)。ぎゅっと詰まったエビとトマトの濃厚なスープで、これにご飯を浸して食べるという料理です。アンバーエールと共に、ザリガニの旨味を存分に楽しみました。


 これは美味しかったですね。

 ケイジャン料理は僕の口に合うようです。


 皆さんもエビが高級で手に入らないのなら、近くの池や沼でザリガニを釣って、夕食にしたら良いかもしれません。スルメで手に入ります。

 スルメ自体が勿体ないという方の意見も分かります。僕はスルメ同盟を組んでいるほどスルメが好きなので、スルメでザリガニを釣っても、それで鯛を釣れなければ元が取れないよなぁ、と思います。


 スルメよりザリガニが食べたい人は是非日本でもチャレンジして下さい。

 アメリカとフランスの魂の混合。美味しいですよ。


 


 さて、腹を満たして、僕は再び博物館へ戻り、存分に展示を楽しみました。

 The Road to BerlinとThe Road to Tokyoという展示が面白かったですね。あくまでアメリカから見た戦史と言う感じの展示でした。あまり「アメリカ万歳!」と言う感じではありませんでしたが、それでもアメリカ中心の視点でどのような経緯でイタリア・ドイツを降伏させるに至ったか、日本を降伏させるに至ったかという展示でした。


 二次世界大戦は勝ち負けがはっきりしているので、表現の仕方が難しいとは思いますが、まぁ、こんな描き方になるよなとという感じです。米軍のビデオを使用しているので、被害者は殆どアメリカ兵。日本やドイツはEnemy(敵)と表現されていました。

 ただ、山本五十六が戦争を続けるとアメリカに負けるのは必至なので、戦争はするけれども早めに講和を引き出したいという目的の下、戦争を仕掛けたという説明があったのは、まだ良心的だと思いました。


 原爆の表現はかなりマイルドでしたが、死者数が広島が14万人、長崎が7万人と書いていて、そこは素直ですね。やはり、ある程度気を遣って作られているのだと思いました。


 親交の深い友人のお兄ちゃんから「日本人は行きにくそう」とコメント貰いましたが、その通りですね。何だか変な感覚になりました。自意識過剰だと思いますが。


 でも、正直僕は戦争を知らない世代なので、歴史のこととしか思いません。僕はアメリカに住んでいますし、アメリカ人のことも人種が違うとは思いません。文化が違うだけです。人間と言う種は一緒なので、そこに何も違いはないと思うんです。ミュージアムの中で何か言われても僕はこう言おうと考えていました。


「確かに日本は戦争をした。でも、それが今の僕とあなたに何の関係があるの?」


 歴史を知ることは大切です。

 しかし、それ以上に僕は人と人との関係が本当はどのような紐帯によって結ばれるのか。そのことの方が重要だと考えています。


 LGBT、思想、宗教など、色々と意見が食い違うこともあると思います。カクヨム内でさえ、BLだの百合だの、ラノベだの純文学だので好みが分かれますからね。人によっては拒絶反応を起こすこともあると思います。


 まぁ、でもやっぱり人類みな一緒ですよ。


 みんながみんな、僕と同じで変態なんだ。

 そう考えれば、少しは世界が平和的なものに見えてくるんです。


 なんかいい感じで締めようとしましたが、締まりません。


 人類みな変態。


 これじゃ、だめかなぁ。


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