第4話
その神にはタキに対する敬意はなかった。タキの姿を認めるや、両腕を高く掲げて振り下ろすと、海水が無数の槍となり対象を貫こうと迫る。すると海中から海藻がせり上がり、水槍をまるで滑走路から打ち上げるように空高く舞い上げた。驚いた神は一歩を踏み出したが、何かに足を取られてもんどりうって倒れた。岩場の
――お分かりいただけただろうか。タキ自身は全く何もしていないのである。例えるならば屈強なボディーガード兼保護者兼狂信的ファンクラブに24時間守られているようなものである。もし対峙した場所が山であったならば、フナムシの代わりにハチやアリが、サメの代わりにクマが代役を果たしたであろう。矢が飛んでくれば、足元のドングリが巨大な
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