空に憧れを抱いた少年が成長し、パイロットとなった頃に戦争が起きる――
その少年に焦点を当てて描かれる空の物語です。
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「戦記」と聞くと「国と国の戦い」『多勢vs多勢』という視点で描かれることが多く、登場人物もたくさん出てきて、思わず――
「難しくて読み進められない!」
って思うことがよくある私ですが……
本作はとても読みやすい戦記であり、主人公の「成長の物語」です。
パイロットになった少年の視点で、日常となった戦争を描いていきます。
〇〇兵器が!何センチ砲が!〇〇戦線で! という「戦争」の色を濃く出すのではなく、日常の中で少年が感じる感情を中心に書かれています。
喜んだり、驚いたり、恋したり、落ち込んだり、描かれる少年を見るうちに、自然と物語に入り込んでいけます。
英雄でもスゴ腕でもなく、普通の少年が戦争という時代に巻き込まれながらも
仲間と共に毎日を頑張って生きていく様子は、強い共感と共に心に残ります。
ミリタリーに詳しくなくても楽しめる空の物語を、是非読んで頂ければ幸いです。