衝撃戦隊エンドマン
火田案山子
第1話 アバンタイトル
暗黒の次元から、今、この世界に魔の手が伸びようとしていた。
「ふっふっふ……ついに見つけたぞ。我ら暗黒帝国デスガイアの次なる征服の地を……」
デスガイアの帝王、グランダークが邪悪な笑みを浮かべて言った。
「グランダーク様、かの地は地球とも呼ばれ、以前にも数々の組織が征服を試みたものの、スーパー戦隊なる者たちの手によって、悉く失敗してきたと言われております」
老人の様な男の怪人が言った。
「流石よく調べてあるな、デスガイア一の博識、ドクター・フェルノよ」
「ふんっ!それはそやつらが不甲斐ないだけの事よ!」
筋骨隆々の大男の怪人が言った。
「我らデスガイアは、これまでいくつもの次元を攻めては、征服してきたのだ。この世界も、すぐにでも手に入れてみせるわ!」
「あらあら……相変わらず力まかせの考え方ねザキラー」
地球人に似た姿のセクシーな恰好の女が言った。
「何だと?スカリーナ」
「戦いとは力だけでする物では無いわあ。頭も使わなきゃ。まあ、あなたには無理でしょうけどね…」
「なんだと!?どういう意味だ!?」
「まあまあよさんか2人共…」
細身の男の怪人が言った。
グリーパという名の幹部だ。
「我らデスガイア三幹部。そしてその配下のデスモンスたち。我々の力の前では、どんな軍団も無力に等しい。そうだろ?見せつけてやろうじゃないか、この世界に住む、人間という愚かな者たちに!我々の恐ろしさを!」
「ようし、ゆくのだ!デスガイア出撃!」
「ははあ!」
デスガイアの雑兵、ヘルポーンズの軍団が東京の街に出現。人々を襲い始めた。
さらにデスガイアの戦闘機群も出撃し、空から光線でビルを破壊し始めた。
街は大惨事。人々は慌てふためき大パニック。
「フハハハハハ!泣け!喚け!叫べ!人間どもよ!」
笑いながら歩いているのはザキラーの配下のデスモンス、クラッシュモンス。
「おおりゃああっ!」
その太い腕を叩き付けると、たちまち地割れが起きた。
「はあっはっはっは!」
高笑いするクラッシュモンス。
それを見て逃げ惑う人々。
しかし、その中の1人の男だけは、逃げなかった。
「くっそー!あんな怪物たちの好き勝手にさせてたまるかよ!」
男の名は
「うおおおおおおっ!」
持ち前の正義感と勇気で、太一はクラッシュモンスに立ち向かった。
得意の正拳突きがクラッシュモンスにヒット。しかし……。
「何だあ?こんなパンチ、屁でもねえや!パンチってのはこうやるんだあ!」
「ぐわあああっ!」
巨腕から繰り出されたパンチで吹っ飛ぶ太一。
「い……いってえ……ちくしょう……」
「へっへっへ……俺様に立ち向かうとは、馬鹿な人間だぜ……」
そのまま太一に近づいてくるクラッシュモンス。
「あばよ、地獄に行きなぁ!」
巨腕が太一に振り下ろされる。
(もう駄目だ……!)
しかしその時だった。
「諦めるな!」
突然の声と共に飛んできた光線がクラッシュモンスをふっ飛ばした。
「うぎゃあああっ!」
「な…何だ?」
太一が見ると、そこには黒いスーツを着た1人の男が立っていた。
その手には銃・エンドブラスターが握られていた。
「俺は、疾風の戦士、エンドブラック!」
「エンド…ブラック?」
「お前…なかなか勇気があるな。気に入った!どうだ?俺と一緒に戦わないか?」
「え?俺が?」
「そうだ!俺は、一緒にデスガイアと戦う仲間を探してたんだ!お前にその覚悟があるなら……」
エンドブラックは何かを取り出した。
ブレスレットの様だった。
「このエンダーブレスを付けて変身するんだ!」
「……………」
太一は少し考え込んだが、やがて顔を上げた。
「何だかよく分からねえけど……俺は、あいつらから、この世界を、守りたい!」
「よく言った!」
そう言うとブラックは太一にブレスを渡した。
「ぬうぅ…貴様ぁ……よくもぉ…」
クラッシュモンスがフラフラと立ち上がった。
「お前の名前は?」
「太一だ!」
「太一!ブレスのボタンを押して叫べ!衝撃変身!」
太一は言われた通りにした。
「衝撃変身!」
その瞬間、彼の体は光に包まれた。
そして光が消えると、そこには真っ赤なスーツを身にまとった1人の戦士が立っていた。
「な…何だと!?」
クラッシュモンスが驚いた。
「こ…これは……」
太一も自分の姿に驚いている。
「今からお前は、エンドレッドだ!」
「エンドレッド……よおし……」
彼は名乗った。高らかに。
「業火の戦士!エンドレッド!」
「ぬう……小癪な…かかれ!ヘルポーンズ!」
大勢のヘルポーンズが一斉に2人に襲いかかった。
今、地球の存亡をかけて、戦いが始まった!
ここからオープニング。
衝撃戦隊エンドマン 火田案山子 @CUDAKI
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