立花くんと始まり2

「ねえねえ、立花くんかっこよくない?」


佐伯梨花が私の元へぴょんぴょんと飛び跳ねながらやってきた。


「うん、そうだね」


こういうのは流しておけばいい。


「なーんか連れないなあ。まあでも、あの容姿だったらあいつら黙ってないぞー」


梨花がふふっと笑いながら見つめるその先にはよくいる「女子軍団」が彼を囲んでいる姿があった。ああいう人たちには1番関わりたくない。


「立花くん?耳聞こえないんだよね?私がサポートしてあげるよ!」


「困ったことがあったらなんでも言ってね!」


「立花くんかっこいいね!」


言ってる言ってる。うるさいなあ。そんな人たちに囲まれても立花くんは微動だにしなかった。というか、あんな集団に囲まれては何も出来ないだろうな。私はぼーっと彼を見ていた。


「…ん?」


今確実に目が合ったな…まあ気のせいか。別に接点なんてひとつもないんだ。

…そう思っていた。あのときまでは…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

立花くんは、話したい 橘花 紀色 @banananoki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ