episode 3. 雪に閉ざされた港町

 魔法のすべてをここで語ることはできないが、魔法体系には四つの種別があり、うちひとつが四元素――いわゆる地火風水に類するもので、他方に光陰という考え方が存在する。この言葉は、「光と闇」および「時間」を意味する。前者よりも後者のほうが格段に術式の難易度はあがり、理論上でしか存在しない魔法も多い。俗に言う「時間旅行タイムスリップ」などが、その代表例である。

 白い闇の眷属けんぞくと呼ばれる存在は、この光陰の「光」の部分の魔力を持つと言われ、水陸、国境など関係なく、世界のいずこからか現れ、災いを成す。

 これらを討伐するために組織されたのが魔導士協会の平和維持局であり、二~三名の少数チームから、三十名程度の団体まで、班として編成された魔法騎士アーテル・ウォーリアたちが、世界中で「闇祓い」や「白き闇の眷属の駆除」と呼ばれる活動を行っているのだ。


 今回現れた白い無法者ヴィート・ギャングも、白い闇の眷属ではないかと予測されていた。ソーカル一行は、闇祓いの装備をととのえて視察に臨む。

 トレフル・ブランたちが案内された村は、王都からはかなり距離が離れていたが、近くにあるそれなりに大きな町までは、移動用魔法陣テレポーターを使って短時間で現地に到着することができた。

「どうぞ、こちらへ。ここからは馬車でご案内いたしますわ」

 イオディスに導かれ、四人は緑色に金銀の装飾が施された馬車の横まで歩いた。

 じっとその馬車を観察するトレフル・ブラン。

 二頭立て、通常より体も大きく毛足の長い、品種改良されたであろう馬は、ふつうの生き物のようだ。車体は木製のようだが要所に金物の装飾があり、王家の紋章が刻まれている。トレフル・ブランは、『魔の審美眼マージュ・ホルス』(単純にホルスとも)と呼ばれる、対象物にかけられた呪文・紋様呪文による術式を解き明かす魔法を使った。魔導士を目指すならだれでも習得する基本技術だが使う人間によって精度に差の出る魔法である。とはいえ、隠匿されているとか古くなりすぎて痕跡が消えているとかでなければ、これで大雑把にかけられている魔法が判別できる。

 この馬車には、御者の視界の確保を助ける、衝撃に耐える、内部の温度を調節する、車輪が雪に埋まらないようにする、など走行の安全性と快適性を守る魔法がかけられているようだった。

 トレフル・ブランの様子を見ていたキーチェが、横にやってきた。厚底のブーツにでも着替えたのか、いつもより少し視線が近い。

「あなた、見るものすべてホルスを通して、面白い?」

 キーチェは、イオディスのほうを気にしていた。なるほど、あまり念入りに調査していると、魔導士協会の魔法騎士アーテル・ウォーリアが、パゴニア王国の調査をしているように見えるかもしれない、というわけか。

「足を止めて悪いね。新しい魔法を見ると、とりあえず詳しく調べてみたくなるのが、悪いくせなんだ」

 トレフル・ブランは、ソーカルと話しているイオディスにも聞こえるよう言った。

 内容については、完全に真実だ。トレフル・ブランは、世界中の魔法を見て回りたくて魔法騎士アーテル・ウォーリアに志願した。それに、先生の教えにもある、いわく「目に見えるほとんどはまやかしだ、いつでも魔法を見抜く目を養え」と。ゆえに、トレフル・ブランが意識して覚えた最初の魔法は、この『魔の審美眼マージュ・ホルス』だった。

 キーチェにつつかれるようにしてトレフル・ブランは馬車に乗り込み、それを追うようにキーチェ、ユーリも乗り込んだ。話し込んでいたソーカルとイオディスも後に続き、馬車は目的地へ向かって走り出した。


* * * * *


 暖かい馬車の中から見る荒野は、より寂莫せきばくとしたものに感じられた。

 トレフル・ブランは頬杖をついて流れゆく灰白色の景色をぼんやり眺めていたが、ユーリがもそもそ居心地悪そうにしているのに気付くと、球体の耳飾りをひとつ外して、彼に握らせた。

「……? あ、涼しくなったよ、ありがとう!」

 この耳飾りも、トレフル・ブランの呪具のひとつである。これを通じて、ユーリに渡した魔法の効果をコントロールしてやったのだった。

 この町に来る前、宿泊施設の部屋で、外套がいとうの下に暖気をためる魔法をかけておいたのだが、この暖かい場所では暑すぎたようだ。仕掛けを作ったのはトレフル・ブランだが、コントロールは呪具(この場合は、外套そのもの)装着者に任せる仕様になっている。ユーリは細かいコントロールが苦手なので自力でどうにもできなかったようだが、同じ仕掛けを施したキーチェは、文字通り涼しい顔をしている。「このくらいできて当然よ」とばかりにあごを上げて、ふたりのやり取りを見ていた。

 ソーカルは別の意味で冷ややかな視線を向けていた。

「お前、俺にはそういう親切してやろうって気にならねぇんだな」

「思い出してやってあげようとしたら、教官、もう準備終わってたんで」

「俺は忘れられてたのかよ!」

 ユーリとキーチェは笑った。イオディスは、無表情を装いながらやや驚いているようだ。

 そんなやり取りを三十分ほど続けたころ。馬車の速度が緩くなった。

「もうすぐですわ。みなさん、お支度を」

 全員が頷き、それぞれすぐに臨戦態勢に入れるよう、武器を手に取った。

 ソーカルは長剣。わりとシンプルなデザインだが、これも立派な呪具である。

 キーチェは白金の錫杖、ユーリは合金の回転式拳銃リボルバー。そしてトレフル・ブランは、銀製の万年筆。これも師から譲り受けたものだ。戦闘向きとは言い難いが、他三名が十分戦闘向きの呪具を備えているので、後衛でサポート役を務めることが多い。むろん、銀の短剣など、白兵戦に使える武器もいくつかは所持している。

「イオディスさん、あんたは?」

 ソーカルが尋ねた。

「わたくし、実は戦闘はあまり。こちらで援護させていただきます」

 彼女が握っているのは、黒く短い杖だった。装飾も控えめで、いわゆる“魔女の杖”に近しい雰囲気を持つ呪具である。「そりゃ構わないけどよ、あんた、近衛兵って言ってなかったか?」という重ねての問いに対する、イオディスの返答は。

「正確には、近衛兵団所属の事務員ですわ」

 ちょうど馬車が停車したので、ソーカルは何も言わず、御者が開けてくれた扉から馬車を降りた。


 まず、粉雪が視界をおおった。トレフル・ブランは周囲の風をコントロールして障壁しょうへきを作り視界を確保する――と言っても、雪まじりの風のすき間をって周囲を見渡すことしかできないが。

 まだ昼下がりだというのに太陽はほとんど見えず、風雨にさらされたゴツゴツとした岩に真っ白な雪がこんもりと積もっている。低木とやぶがわずかに根付く、寂しい印象の土地だ。町は南北に伸び、東西はひたすら雪原に覆われているように見える。

 イオディスが白い息を吐きながら言った。

「ここヴェイネスは漁村です。住民が三百人余りの小さな町……たとえば強盗目的でこの町を襲ったとしても、わずかな利益しか得られないでしょう。こちらへどうぞ、襲撃者は村の北東から侵入しました」

 五人は村を北上した。もともと豊かには見えない建物が、哀れにも破壊されていた。厩舎に動物の姿はなく、凍った血の跡が見受けられる。村人と出会うことはなく、すれ違うのは警備兵か、復興支援の関係者だ。誰何すいかされるたび、イオディスはパゴニア王国騎士団の紋章入りのバングルを見せていた。村全体が、神経質になっているように感じられた。

「それは、襲撃から何時間も経っていないんですから、当然のことでしょう」

 キーチェは言い、なにやら魔法を使ってあたりの痕跡をつぶさに観察しているようだった。

 ユーリのほうは、風雨よけの風の障壁のコントロールがうまくいかないらしく、ときどき彼の周辺だけ小さな雪の竜巻が発生したように風がうずまき、ゴウゴウと唸る。

 ソーカルが銀のライターに火をつけると、ユーリの障壁は一瞬にして散った。彼はユーリの頭を殴り「いま、住民たちは雪の動きに敏感になってるとこだから、気を付けろ!」と叱って、一本のマッチを手渡した。「火を消さなければ、適度な状態の風の障壁を保ってくれる。これなら使えるだろ」というアイテムだそうだ。なるほど、ユーリは魔法のコントロール――これを魔導士協会はこれを呪術じゅじゅつと定義している。四元素のコントロールにおいては、操呪そうじゅと呼ぶのが一般的だ――なにせ、ユーリはこの細かい操呪が苦手なのである。四元素のひとつ、火を除いて。仮に彼にステーキを焼いてくれと頼んだとして、ミディアムかレアなど選べない、真っ黒こげのカチコチステーキが提供されることだろう。

 フラームベルテスク家は、創世の新歴史にもその名を残す由緒ある家柄で、その家系は火の元素と強い結びつきを持っている。傍流ぼうりゅうであっても、その子孫である彼もまた、火の元素との結びつきを受け継いでいるのだった……火の元素を用いた魔法以外ほぼコントロールできない言い訳をここに求めてはいけない。きっと、ご先祖様が激怒する。

 逆にキーチェのほうは、水の元素と相性の良い魔導士でありながら、他の三元素の操呪も難なくこなす。彼女は呆れたように「あなた、相変わらずやることが大雑把ね」と言って、ユーリを恐縮させていた。

 トレフル・ブランは、『探知の魔法』と『時間の再生魔法』を使い分けて、当時、起こったことを探っていた。ホルスのほうは、捜査の基本なのでおそらくソーカルがやっているだろうし、事前に調査を行った王国関係者から聞き取りを行っても良い。まずは自分の目で、何が起こったのかを確かめたかった。

(これは……イオディスの言うとおり。政府の作った宣伝映像に、誇張はひとつもないな)

 むしろ、大怪我をして動けなくなった人や亡くなった人をフレームアウトし、住人の識別ができないよう顔を見えなくするといった処理をほどこしただけの、ほとんどリアルな映像を既定の時間に編集して製作した宣伝映像のようだ。

 襲撃時間は長くなく、おそらく三十分未満だろう。その間にこれほどの人的・物的被害を出したのだ。悪意と破壊力は相当なものと推測された。


* * * * *


 一行は、襲撃者が侵入したという村の北東部までやって来ていた。雪原かと思われたものは、雪との境目が曖昧な海だった。波が不規則にゆらゆらと押し寄せ、白っぽい飛沫を立てる。その飛沫さえ凍りつきそうな小さな港の外側に、雄大な暗青色の海が水平線を描いて広がっているのだった。

 その時。めずらしく気弱なキーチェの声が響いた。

「ねぇ……あれ、雪だるまが立ってるみたいなんだけど。本物、かしら……?」

 キーチェは『拡大スコープ』でそれを見つけたようだ。すぐさまトレフル・ブランも『拡大スコープ』を発動させ、雪の海岸線に佇むを見つける。

 と同時には、お世辞にも華麗にとは言えない様子で体を反転させ、その場を逃げ出そうとした。

「ド阿呆! ホンモンなわきゃねーだろ、追うぞ! 用心してついてこい」

 風をまとったソーカルが、もの凄いスピードで海岸線を突っ切って飛ぶ。彼は呪具である外套と巻き起こした風を操ることで、自在に飛ぶことができるのだ。

 トレフルは、急いでふところから巾着袋を取り出した。見た目以上の体積を収納できる、通称、第二のポケットセカンドポッケと呼ばれる魔導具である。これに突っ込んでおいた、大型の白い獣を三体取り出して、他のふたりにも乗るように指示した。

「コントロールは俺がやる。くらがないから、首輪にしっかりつかまって!」

 そうして、三匹の白い獣は、ソーカルの後を追って走り出した。もともと草原地帯を走り回っていた、犬の姿かたちを借りた眷属から作った獣である。かなりのスピードで雪原を駆け抜ける。

(あ、イオディス置き去りにしちゃった。まぁ仕方ないか)

 今さら戻ることはできないし、前方でソーカルが衝撃波を放ったのが見えた。

 それは波打ち際に着弾し、バシャーンと大きな水飛沫をあげる。雪だるま、いや、白い無法者ヴィート・ギャングをかすめたようだ。それの体が一部えぐれて、雪がこぼれ落ちていた。

「大きい…!?」

 ユーリが呟いた。

 映像で見たものよりも、それは巨大だった。成人男性くらいの背とその倍ほどの横幅がある。両手だけでなく、太めの枝を使って両足まで作られていた。見た目はアンバランスだが、放つ雰囲気は不気味そのものである。

魔の審美眼マージュ・ホルス!」

 トレフル・ブランは、魔法を通してそれを見た。やはり、イオディスの映像と、先ほど村で集めた“村の記憶”から組み立てたは推測は正しかった。

 ソーカルは剣を振り、第二撃を放った。正面から放った一撃だったが、なんと、受け止められた。枯れ枝と落ち葉の盾によって。

「……? 魔法じゃなく、呪具ではじくのか?」

 いぶかし気に言ったソーカルに、トレフル・ブランは「ホルスを!」と叫んだ。それと同時に、万年筆で雪にとある紋様を書き込み、呪文を唱えた。

剥離ディクリィ!」

 これはトレフル・ブラン自身が術式を成立させたもので、耐衝撃・耐火炎魔法などの「耐性」を引きがす魔法である。この白い無法者ヴィート・ギャングは、少なくとも耐衝撃・耐火炎魔法が付与されているようだった。それをなくしてしまえば、ソーカルの風の衝撃も通じやすくなるはずだ。

 雪に書いた文字に指向性を付けておいたため、魔法は一直線に白い無法者ヴィート・ギャングを追った。その光が個体を包んだとき、ホルスで現状を理解したソーカルが第三撃を放ち、対象を半壊させた。

「ユーリ、燃やせ!」

 ソーカルの指示で、ユーリは楽しそうにに銃を構えた。なんだかんだで、彼は派手な魔法が好きなのである。

火炎大砲ビッグ・バン!」

 銃口から放たれたそれは、三発のうち二発が対象に着弾、白い無法者ヴィート・ギャングは激しい炎につつまれ、すでに耐火炎魔法の効力が失われていた体は、パーツを残して完全に溶け去った。

 ソーカルがそれを拾い上げる。

「ボタン、だな……」

 洋服についているアレである。トレフル・ブランは、ホルスを使った。魔法の痕跡が色濃く残っている。ソーカルと目が合うと、彼も静かに頷いた。


 遠くに雪煙があがっているのを見て、ソーカル一行は臨戦態勢に入った。白い無法者ヴィート・ギャングの集団かと考えたのだが、違った。

 イオディスが、警備兵を率いてやってきたのだ。彼らは二人一組で、雪上用バイクにまたがって到着した。ほかの三名は、近くの大きな町から派遣された警備兵だという。燃え残った、正確には燃やすことができなかったボタンを、ソーカルはイオディスに手渡した。

「これは……呪具ですね。白き闇の眷属が呪具を使うと?」

 イオディスが思案げな表情でボタンに触れている。「違うな」とソーカルが言った。

「眷属が呪具を使うなんて、聞いたことがねぇ。白い無法者ヴィート・ギャングは、眷属じゃない。おそらく、魔導人形ゴーレムだ」

 驚いて息を呑むイオディス。

魔導人形ゴーレムですって? あの、土や岩で作った土木工事用の魔導具だとおっしゃるのですか?」

 一般的に、魔導人形ゴーレムはイオディスの認識どおり、土や岩で作るものとされる。巨大でパワーのある彼らの活躍場は、主に建設現場だ。先ほどヴェイネス村でも、瓦礫がれきの撤去を行う小型の魔導人形ゴーレムを見かけた。一般の魔法使いにもよく知られた、ポピュラーな魔導具のひとつである。別に土や岩でなければ作れないというものでもないので、雪で作った魔導人形ゴーレムがいたとしても問題ない。問題なのは、あくまでその使なのだ。

 ソーカルは言った。

「どういう方法でかは分からんが、大量生産したゴーレムに『破壊』や『殺戮さつりく』を命じて村を襲わせたんだろう。ホルスで見たところ、耐性魔法や強化魔法が付与されていた。あんたも知っての通り、眷属ってのは自然現象みたいなもんで、そういう耐性だのなんだの持って生まれてくるもんだが……」

 ソーカルの視線を受けて、トレフル・ブランが引き継いだ。

「眷属の耐性は、無効化することは出来ても引っぺがすことはできない。それができるのは、で魔法を施されたものだけだ」

 キーチェも言葉を重ねる。

「村を見て回ったとき、感じました。光の魔法の気配はありませんでしたわ」

 どうやら、キーチェは使われた魔法の種類を探っていたようだ。その中で、光の魔法が使われた痕跡のないことに気付たのだろう。

 イオディスが戸惑ったように、「では、白き闇の眷属ではないというのは、事実なのですね……」と呟く。

「可能性大、ってとこだな。王都に、大きな魔導士組織があるだろう。そこへ送って分析してもらえ。ハッキリ結果がでるはずだ」

「分かりました。すぐに手配いたしますわ」

 イオディスは兵に命じて、一組を転送用魔法陣トランジスタのある最寄りの町へ急がせた。その際、伝達書を持たせるのも忘れない。事務員というだけあって、なかなか手際のいい女性である。

「では、この後はどうされますか? あれは単体だけでしたし、あなたがたの報告では様子をうかがっていただけのようですから、宿舎へお帰りいただいても良いかと思うのですが」

 イオディスの提案に、ソーカルは少し考えて了承した。

「そうだな。宿舎に帰らせてもらって、今後のことを検討したい。ここには、耐性を無効化したり弱体化させられる魔導士を配置しておけ。それが崩れれば、殴る蹴るでも倒せる相手だ。戦闘能力は高くない」

「えぇ、そちらも手配いたしますわ。では、いったん村へ戻りましょう」

 

 イオディスは、雪上用バイクの後部にまたがった。

 トレフル・ブランたちは、それぞれここに辿たどり着くために使った白い獣にまたがる。ソーカルは、恨みがましい目で三人を見上げていた。

 こらえきれず、トレフル・ブランはかすかに笑った。

「大丈夫、教官の分もあるよ。言ったでしょ、いい道具貸してあげますって」

 トレフル・ブランは第二のポケットセカンドポッケからもう一体、白い獣を出した。

 それにしても、とトレフル・ブランは思う。

(この吹雪の中、キーチェの髪型がぜんぜん乱れないのは……)

 どんな素晴らしい魔法を使っているのだろうと、ホルスを使おうとしたトレフル・ブランの頭上から、ぼたぼたと雪のかたまりが降ってきた。

 キーチェが白金の錫杖を振っている。

「女の子の秘密は、のぞき見禁止よ」

 トレフル・ブランは少しがっかりしたが、おとなしく魔法の探求を諦め、白い獣を操ることに専念した。

 そのおかげか、一行は無事ヴェイネス村に戻り、さらに中継地点から王都へと帰り着いたのだった。

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