第25話 川野辺高校文化祭①
「文化祭?」
「はい。今週末なんです。よろしかったら一緒にまわりませんか?」
「俺が行っても大丈夫なのか?
その・・・生徒たちにからかわれたりとか」
美香も教師だからな。恋人連れてとか色々まずいんじゃないか?
「大丈夫だと思いますよ。田中先生と山口先生も一緒にお弁当食べたり堂々としてますし」
「ってあいつらそんな事やってるのか?」
「はい。今までは喧嘩や言い合いばかりしてたのに今はもうラブラブで・・・
生徒たちも生暖かく見守ってるので私が洋さんと一緒に居ても大丈夫かなと」
「そ そういうものなのか?」
「そういうものです。それに随分久しぶりなんじゃないですか川野辺高校」
何だか違う気がするけど、川野辺高校も随分行ってないしな。
確かにちょっと行ってみたい気もするな。
「そうだな。じゃ見学させてもらおうかな」
「はい!是非」
というわけで週末は美香と文化祭デートをすることになった。
美香も一応見回りとか一部業務もあるということだけど午前中で終わるということなので、午後に待ち合わせをして一緒に回ることとなった。
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そして、文化祭当日。
俺は久々の母校へ出向いた。
午前中はゆっくり休めたし天気も良い。そして、何より久々の高校に行けるのは結構楽しみだったりする。
何というか流石に卒業してから20年以上も経つと校舎も随分綺麗になっているな。校舎は俺が居た頃と基礎は同じみたいだけど、内装は修繕されていて綺麗だし、何より体育館や食堂は完全リニューアルされている。
教室はエアコンもついてるし今の高校生が少し羨ましくなってきた。
『俺達の頃は扇風機しかなかったもんな・・・食堂の飯もまずかったし・・・』
そんな感じで校舎を見ながら美香のクラスが出店しているというメイド&執事カフェへ向かった。
そして、教室に着いた俺は美香の携帯に電話を入れた。着いたら電話することにしていたんだ。
[美香か?あぁ今教室の前に着いた。おぅ待ってるな]
すぐ来るということで廊下の壁にもたれかかり待つことにした。
「い いらっしゃいませ ご ご主人様」
「へ?何で美香がメイドのカッコしてるんだ?」
待っていると何故かメイド服を着た美香が俺を出迎えてくれた。
慣れないセリフだからか少し笑顔はぎこちない。
「うぅ~ 着る予定はなかったんですが、、、田辺君や小早川さんに洋さんが来ること教えたら、このカッコでお迎えしたら喜ぶからって。変ですよね。こんなカッコ・・・」
「い いや、驚いただけで・・・何というか凄くいい!」
「そ そうですか?」
「あぁ凄く似合ってるよ」
「す 素直に喜んでいいんでしょうか・・・」
ちょっと小柄で幼さが残る顔立ちの美香。
それでいてスタイルは良かったりするのでメイド服は似合うというか妙にエロい。高校生には刺激が強いんじゃないかこれ?
「ご無沙汰してます相良さん」
「こんにちは!」
「おぅ健吾君に楓ちゃん?」
健吾君はちょっとホストに見えなくもないスマートな執事服。
そして楓ちゃんもまた執事服を着ているんだけど男装の麗人というか、美少年とも言えるような出で立ちだ。
「何というか2人とも似合ってるね」
「ありがとうございます!
でもケンちゃんはカッコいいですけど、私は男装ですしちょっと恥ずかしいですね・・どうせならメイド服の方が・・・」
「大丈夫だよ楓。ちゃんとメイド服も渋川さんに頼んであるから後で着替えよ」
「えっそうなの?そ それはそれで恥ずかしいんだけど。。。
私、背が高いし綾ちゃんみたいに可愛くないから似合わないよ」
「そんなことないって楓は何着ても似合うよ♡」
「ケンちゃん・・・」
「は は 君たちは本当に仲が良いね」(最近の高校生は・・・・)
「田辺君も小早川さんもナチュラルにイチャイチャしないの!
それに今の2人のカッコでイチャイチャしてるとちょっといけない世界に見えるからね」
「確かに・・き 気を付けます」
健吾君は何となく雄一と雰囲気が似てるかもな。あいつも中々の男前だったし。
楓ちゃんは・・・見た目は五月さんだけど真面目な性格は大樹さん似なのかな。
にしても、この2人が結婚したら、あの4人は親戚同士か・・・雄一も川野辺に戻ってくることだし、宴会する回数が増えそうだ。まぁ楽しみだけどな。
健吾君と楓ちゃんは接待で忙しいそうなのですぐに教室に戻っていった。
確かにあの2人はモテモテだろうな。
2人を見送り、俺は美香と文化祭を見て回ることになったわけだけど・・・
「で、美香はそのメイドさんのカッコのままでいいのか?俺は構わんが」
「洋さんが気に入ってくれたなら、クラスの宣伝にもなりますし・・・」
「そ そうか。じゃ行こうか」
「はい♪」
と何故か俺はメイドの衣装を着た美香と文化祭を見て回ることとなった。
メイド喫茶と執事カフェのチラシも配るみたいだけど・・・
教師としてこれでいいのか?
似合ってるし俺的には全然ありだけどな。
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