第21話 お祝い
「「田中先生、山口先生 入籍おめでとう!!!」」
川野辺天神の近くにある北里夫妻が切り盛りしている焼き鳥屋「鳥茂」
今日は、田中と山口さんが入籍したということで、拓也が店を貸し切りにして仲間内でお祝いを行っている。
店には主役の2人の他に、俺と美香、それに高校の同僚として数名の先生が来ている。
「しかし、田中先生と山口先生が結婚とは驚きましたよ。
学校ではあんまり仲が良い感じしませんでしたからね」
とがっちり体系な男性。体育の教師で木本と名乗ってたな。
美香が言うには筋肉が大好きな人で、ちょっとナルな人らしい。
そういえば、さっき初対面の俺の筋肉を褒めてたな・・・
「確かに言い合いしている現場の方が多かったですもんね。私も何度か仲裁したことありましたし」
とこちらは、色気たっぷりな美人さんで現国の富田先生。
美香の5つ上ということだからアラサーな方だと思うけど妖艶な感じだな。
いいのかこんな人が高校教師してて・・・・男子生徒大変だぞ。
「田中たちは、同僚の先生方からも仲悪そうに見られてたんだな。
まぁ昔からの付き合いの俺達も良くわらないときとかあったからな」
「でもまぁ喧嘩するほどとも言うからね」
と北里夫妻。
まぁこいつらも年中喧嘩しては仲直りとか言ってイチャイチャしてたからな。
俺からすれば田中たちといい勝負だ。
「北里さん達とは学生時代の先輩後輩なんですよね。田中先生たちって昔からこんな感じだったんですね」
「そうそう。毎回の仲裁が大変だったのよ」
「もう美津子さんそれくらいで許してくださいよぉ~」
「そうですよ。今日は僕たちのお祝いで集まってくれたんでしょ」
田中たちも流石に仲が悪そうの連呼にちょっと決まりが悪そうだ。
でもまぁ事実だし仕方ないと思うけどな。
「あ、そういえば美香もおめでとうだよね」
「え?」
と美香と同期の三宅先生。
中々の美人さんであるこの先生は、学生時代からの友人で西村ちゃんと3人で良く遊んでいたとの事。俺の事も西村ちゃんや美香から色々と聞いていたらしい。
が、突然自分に話が振られたの美香も慌ててる。
「だってお隣の相良さんと婚約したんでしょ?」
「えっ そうなんですか。それはおめでたい。彼氏さんいい筋肉してますもんね」
「そ そうなのね。それはおめでとう」(また後輩に先を越された)
「あ あのその・・・あ ありがとうございます」
と三宅先生の発言を受け先生方から俺達にもおめでとうの嵐が・・・・
って婚約に筋肉関係あるのか?
まぁそんな感じで、初対面の先生方とも親睦を深め、美味しい焼き鳥を食べつつ、ビールを飲んでカラオケで歌って、何だかグダグダな感じで騒いだ。
そして、気が付いたら朝。
翌日が土曜日といことで助かったけど平日だったら結構危なかった・・・
俺もだけど学校の先生が、飲んで遅刻は流石にヤバいだろ。
美津子さんが軽く皆に朝食を振る舞い、店内の片づけを手伝った後、宴は解散となった。拓也の焼き鳥は先生方にも好評だったから、もしかしたら川野辺高校の職員も今後来てくれるかもな。
「先輩方。今日はありがとうございました」
「気にすんなよ。それより家はこの近所にするんだっけ?」
「はい。やっぱりこの町は2人とも思い入れがありますし職場も近いですから」
「ま、確かにそうだな。兄貴にも聞いといてやろうか?」
「はい それ凄く助かります」
「OK じゃ条件とかあれば後でメール送っておいてくれ」
兄の幸治は、この近辺を中心に不動産業を行ってるから物件関係は結構強いし、価格交渉も知り合いということでやりやすいだろうからな。
2人とも昔からの馴染みだし幸せになって欲しいな。
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本当は本編の「親父とおっさん」までにこの話を書き終える予定だったんですが、間に合いませんでした・・・
次からの話は本編の「親父とおっさん」の相良視点の話となります(水曜あたりで更新予定)
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