望月桜空の日常

自宅にて

｢ただいま｣

｢おかえり｣

中学校から帰ってきた私は玄関を見て気づいた。あっいるなって。

｢さ〜くらちゃーん♡♡｣

｢あっ葵花義姉さん｣

｢やだぁ桜空ちゃんったらぁもう姉さんだなんて(照)｣

いや義姉だからそう呼んでるんですよ！！ってツッコミは放棄しておいて。

この人は猫羽葵花。私の義姉にあたる人で、紀人兄さんの婚約者。そして蘭の姉である。この人一応アイドルなんです。

｢いや、一応って何一応って。これでもオリコン1位の人気アイドルなんだからね？｣

｢うわっ心の声ダダ漏れだった？？｣

｢もちろん☆｣

軽くツッコミ放棄したくなるよ……

｢で、葵花義姉さん今日はなんの用？｣

｢ん？あぁ｣

思い出したようにカバンを探る。

｢これ！！｣

そう言って出てきたのはライブのチケットだった。

｢私の出るライブのチケ！｣

｢へぇ｣

無関心そのものだった。

｢ちょっとは興味示しなさいな｣

そう言うと紀人兄さんはコーヒーを出てきた。

｢だって｣

｢まぁライブ会場が怖いのは分かるけども｣

そりゃそうだわ。紀人兄さんはルックスとか最強だからよくスカウトされる。私も何故か声はかけられるけど、芸人にスカウトしてるのかな。それを前蘭に話したら｢お前はもう少し自分のルックスに自覚もて！｣って怒られたけど……解せぬ。

｢それでさ！桜空ちゃんと彼方ちゃん来ないかなーって思って！紀人はもう強制連行よ！｣

｢ははは……｣

行くか行かないか2つに1つか

｢……いく｣

その返事を聞いた瞬間、葵花義姉さんはぱぁぁっと表情を明るくして

｢やったぁぁぁ！！！｣

って言った。

やれやれ……単純な義姉さんだ

そう思ったが口に出すのはやめた。