第8話


 健治が皇帝になってさらに3か月後。帝国はもう完成したも同然の状態であった。帝国本土の東西南北の島も、要塞化が終わり、ドイツの800ミリ列車砲を島の山の中に洞窟を張り巡らせ、レールを敷き、転車台を建設し、レーダーサイトと連動させ、驚異的なほどの命中率を誇る。試験を行ったところ、命中率ほぼ90%という正直いっておかしい要塞が出来上がり、現在それぞれの島の形にちなんだ軍を駐在させている。


本土も、沿岸にはレーダーサイト、対空陣地、対艦用の600ミリカール自走臼砲、800ミリ列車砲、戦艦大和の460ミリ砲を要塞砲に改造したもので完璧な防御をしている。 


 ···帝都(中央都)···


 「だいぶ国らしくなったなあ。」


 健治の住む帝城からは帝都が見渡せる。帝都は地球のニューヨークと東京をたしたようなかんじである。広さは香川県くらいとなっている。


 「そうですねえ。国内の産業も治安も安定してます。」


 「うんうん、国内が安定しているのはいいことだ。」


 「まったくそのとうりです。」


 「そろそろ対外政策もしたほうがいいのかなあ。」


 「そうですねえ。軍部も議会ももう対外政策に乗り出すべき、という主張が日増しに増えてますから。」


 「人工衛星からの情報だけじゃたりんしなあ。」


 健治は国造りを始めてから、人工衛星搭載ロケットを何個も打ち上げており、この世界のだいたいの地理を知っていたが、それでも情報不足だった。


 「こりゃ真面目に対外政策を検討しないと···」


 決意を固める健治であった。

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