第2話平日だから大丈夫。仕事、勉強、何かしていれば勝手に時間は過ぎていく。だって平日なのだから。

結論はタイトルにつけた通りである。

平日、つまりは普通の人は普通に過ごせばそれで終わるのである。


今日という日をクリスマス、

あるいはクリスマス・イヴと認識しなければそれだけでいい。

目を閉じ、

耳を塞ぎ、

呼吸をしているだけで時間は過ぎていく。


街の喧騒が嫌ならば、街に出なければいい。

周囲の幸せそうな情報が嫌ならば、テレビを消し、スマホを切ればいい。

ただ、自分だけに意識のベクトルを向けて、集中する。

いっそ、禅の修行と思って瞑想するのもいいだろう。

精神も鍛えられ、一石二鳥だ。


繰り返しになるが、何かをしようとしまいと、時間は勝手に過ぎていく。

楽しくとも、

苦しくとも、

愉快でも、

不愉快でも。


ただ、24時間。

あるいは48時間。

ただ待つだけでいい。

クリスマスは永遠ではない。

限られた間の祭りなのだ。


一年はクリスマスでない日の方が多い。

故に、たかだか1日2日のお祭りへの嫌悪感で、一年を台無しに締めくくるのは得策ではない。


認識しない。

今日はただの平日だ、と。


だが、ここで一つ問題が発生する。

懸命な読者諸氏は『しろくまのジレンマ』というお話を聞いたことがあるだろう。

正しい名称かどうかは知らないが、‘つまりは『しろくまのことを考えるな』と言われるほどに、しろくまについて考えてしまう、ということだ。


避けようと思うほどに、近く。

あいつのことなんて忘れてないのに、頭から離れない。

それは当然だ。

だって、考えないようにしている『対象』を自分の意思で選択しているのだ、思考から排除できる訳がない。


なので、結果としてクリスマスをクリスマスとして認識しない方法を教えるならば、こうだ。


無心になれるほど、楽しいことをしろ。

あるいは、苦しいことをしろ、である。


ポジティブかネガティブか、そのベクトルはどちらでもいい。

大事なのは、クリスマスを意識するスペースを自身の思考に与えないことだ。


圧倒的な絶対値があればいい。

誰だって、生き死にをかけて戦っている時に、クリスマスのことを思い出しはしない。

仮に、降って湧いたとしても、目前のピンチの前に霧散する。

つまりはそういうことだ。

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