1分でわかるクリスマスの乗り越え方

虹色

第1話 はじめに

諸君、もうすぐクリスマスだ。

最早、恋人がいる連中がいちゃこらする日、という認識が強すぎて、一体全体何の記念の日なのか分からない人も多いだろう。

そもそも、いつから12/25はそんな日になった?

誰の陰謀だ?

きっと欲にかられた良からぬ連中たちが詭弁を用い、作り出した虚構であろう。


前置きはこのくらいにしておこう。

私は平和を愛し、平穏を愛する、ただの一般人である。

別に恋人がいないから、

彼氏または彼女いない歴=年齢の人間でもない。

イルミネーションを見ても、その電力を生み出すために化石燃料が消費されて地球が泣いているとも思わないし、

楽しげに手を繋ぎなら歩いているカップルの中央を横断してやろうと思わない。

嫉妬という感情を一切持たない、ただの博愛主義者の人間である。


ならば、何故このような文章を書くに至ったのか、

そう疑問に思う読者諸氏もいることだろう。

単純だ、私含め私の周囲が不幸に満ちているからだ。

顔から、

声から、

オーラから。

なかなかどうして、不幸が具現化したようなどす黒い何かが出ているからだ。


無論、その理由は一様ではない。

あるモノは単純に恋人がいないから、

あるモノは彼女に与えるプレゼントの高額さから、

あるモノは家族へのクリスマスケーキを作成する労力から。

それはもう様々だ。


ただの物書きである私に全ては救えない。

救えるものだけ、

救えそうなものだけ、救う。

いや、違うか。


救われるべきものが、勝手に救われるのだ。

自分自身の力と努力によって。


あくまで、私はそのきっかけを与えるに過ぎない。

それも、藁にも劣る、しがみつけば沈むような虚構。

偉そうに言葉を羅列してもその程度だ。


だが、信じている。

クリスマスを打ち破る力は、その程度のささいなきっかけでも、手に入るのだと。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る