伊波弁関連

伊波県の方言をどこかで出したい。

 伊波方言(いなみほうげん、イナム゜グト゜)とは、日本の伊波いなみ県で用いられる言語である。

 伊波県は南海道南西部に位置し、本土部分と離島(九龍きゅうりゅう列島、高良たから諸島、嘉宜山かぎやま島など)に分かれる。これらの島々は地理的に中国や南洋の島々との中間地点に位置し、西欧列強の脅威にも晒され続けた。

 このため、伊波弁は歴史的に様々な言語の影響を受け、この世界の日本においてもっとも標準語から離れた方言となっている。


★発音上の特徴


◎母音

→ア、イ、ウの三種のみ。長母音のオー、エーすらない。



・米 クミ、またはクム゜(実際の発音としてはkum)

・兄弟 キューダイ、キューディーなど

・英語 イーグ

・ブート゜ ボート(boat)またはブーツ(boot)


◎子音


・ウチナーグチと同じくy (IPAのj)、声門閉鎖音などがあるのに加え、wは地域によってvに近い音で発音される。

例 ワ゛ー va 私


・カ行(K)が強いハ行(IPAのx、スペイン語のjなど)として発音される(表記としてはカ行のまま)


・ハ行はパ行になる。(方言によってファ行)

例 花(パナ)


・チャ行、シャ行、ジャ行がそれぞれツァ行、サ行、ザ行として発音される。

例 ムータル゛車(muutar-tsa ムータル゛サ゜、ムートゥル゛サ゜とも。バイクの意味。「車」はツァ、サ゜などと表記される)


○アイヌ語・韓国語と似て末子音が豊富である。「゜(半濁点)」で表記される。


・パナス(はなしまたは話す、実際の発音としてはpanas)

・ミト゜(みず、mit)

・アリ゛(る、al) など


○様々な国や地域、民族との言語接触により、借用語においてLとRの区別が生まれた。末子音の「R」と「L」はそれぞれ便宜的に「ル゛」、「リ゛」と表記される。


・クム゜ピューティル゛(kumpyuutirのような発音)

 コンピューター → 英語のcomputerから

・ラ゜イト゜(laitのような発音)

 ライト、電灯 → 英語のlightから

・サ゜ク゜リ゜ト゜(tsaklitのような発音)

 チョコレート → 英語のchocolateから


★語彙


 伊波県全域と隣接する奈津崎県で南洋の言語からの借用語が散見される。


 ・サ゜ンプル゛ミス(実際の発音としてはtsampur mis、「ミスサ゜ンプル゛」とも)

 混ぜご飯 → マレー語のnasi campurから

・バブイまたはバビ 豚の意味 → 南洋の言語から


 伊波県の離島、高良たから諸島は一時スペイン領だったので、先住民高良たから族の言語にはスペイン語由来の語彙が見られる。


・ビシ(スペイン語のbicicletaから、自転車のこと)

・パート゜リ(発音はpaːtri) 「神父」の意 → スペイン語、ポルトガル語のpadreから


★文法


 形容詞は名詞が後続する場合、タガログ語と同じく「ナ」か「ン」が後ろにつく。


 ウーキ イン 大きな犬

 カナス トゥ 愛しい人


 タガログ語とはのだが、方向を表す「に・へ」が「サ」になる。


 ワ゛ー ガッカー イク゜ 私は学校に行く


 学校がっかーは「スクーリ゛、イスクーラ゜」とも。


★挨拶


 こんにちは = ウラ゜! 英語のhiと同じように使われる。

 お元気ですか? = クムバッヤー スペイン語の「¿Cómo estás?」からか。

 はい = ウー


……おっと、これでは完全にタガログ語だ。

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