第2話 逃走の果て
この子は何を言っているのだろう。いきなりの爆弾発言に俺は動揺を隠せずにいた。
「ど、どういうことだ?」
「・・・・・・えっちするってこと」
ここで普通の男なら喜ぶのだろう。脈絡も分からないがきっと喜ぶのだろう。だが俺は喜ばないし、どうしたらいいのか分からない。あと怖い。後で高額な壺買わされるってSNSのみんなは言ってたぞ!とりあえず断ろう。
「悪いな。無理だ」
「・・・どうして?」
「俺にはお金がない」
「・・・・・・?お金いらないよ?」
どういうことだ?金がいらない?これは所謂美人局とかそういう類のものじゃないのか?
「じゃあ何が何が目的だ?」
「・・・・・・貴方」
よく分からないが何となくわかった気がする。これはあれだな。告白してるんだな。いや、待てよ。俺とこの美少女に接点はない。ということは結論いえば美人局か?やはり断ろう。
「悪いが俺には彼女がいるんだ。だからお前の気持ちには答えられない」
「・・・・・・本当に?」
分からないがこの美少女からの圧力が凄い気がする。怖い。
「ほ、本当だとも」
「・・・・・・じゃあ会わせて」
「・・・え?」
「・・・・・・本当に貴方に相応しいか試す」
こいつやべぇ。なにがやべぇって目が怖い。一体こいつ俺の何を狙ってやがるんだ・・・とりあえず逃げるが勝ちってな!サラダバー!
「あっ!あそこにUFO!」
「・・・・・・え?」
俺が指さした方向に美少女は振り向いた。俺は颯爽と走り出す。少し不安になり、俺は後ろを向いた。なんて速さでしょう。怖い怖い怖い!
俺は咄嗟に入り組んだ道へ入り、物陰に隠れた。
「・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・どこ」
どうやら見失ったらしい。諦めて戻って行った。俺も学校に戻ろうと思ったがあの美少女が待ち伏せしているとなると憂鬱だ。荷物も持ってきているし今日は帰ろう。お昼から帰れるとか最高なんだが。帰ってゲームでもしよう。
そう思いつつ帰宅した。俺は気付いていなかった。あの執着心ならば次の日もあの美少女が俺のところに来ることを。
気付けていれば明日の騒動にも巻き込まれずに済んだかもしれない。だが俺はゲームに気を取られて既に忘れていた。
「なんで現実に俺をこんなに愛してくれる人間がいないのだろう・・・やはり間違っているよなこの世界は!あーかわいいよ!兎亞ちゃん!」
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