第193話
「弱いねぇ…。もし、残機ゲームだったら、とっくにゲームオーバーだよ…」
「…くっ!」
あれから、体感で数日間がすぎていた。だが、僕は一勝もしていなかった。
僕は床に這いつくばりながら、次の作戦を考えていた。
どうすればいい…。魔法を使っても吸収されて、とんでもない攻撃になって返ってくる…。かといって、近づいても力で押し切られる。本来なら黒騎士はかなりやばいやつだったのかもしれない…。
僕はフレースヴェルグとラタトスクを同時に発動し、シャドウの攻撃をスローにして大剣を避けて攻撃した。
「くらえっ!」
「…ん? そっちか…」
「なっ!?」
僕はドゥラスロールを発動して、シャドウの死角をついたつもりだったが、攻撃を読まれていた。瞬時にダイヤの盾を前側に精製して攻撃を防いだが、なかなかのダメージを受けた。
「弱いねぇ…。少し君の事を買いかぶりすぎていたのかもしれないのかな…」
「…くそっ!」
ここまで差がひらくのか…。
あと、なにができる…。考えられる事は全部やったぞ…。
「ダメだな…。これ以上やっても、時間の無駄だな…。一回、帰れ…」
「…え?」
僕は元の部屋に戻っていた。僕はすぐにステータスに時間を聞いたが、まだ数時間しか経過していなかった。
「まいったな…。いきなり、ラスボス戦に突入した気分だ…。ちょっと整理するか…」
まず、残りの悪魔のスキルを発動するには、シャドウのかけた封印魔法を解かないといけない。封印自身がシャドウの分身を倒すこと…か…。あいつ、強すぎんだよな…。せめて、全ての悪魔の力が発動できたら簡単なのに…。…それなら、戦う必要ないか。
「…ん?」
でも、この前ステータスは全部発動しているみたいなこといってたよな…。確か待機中だって…。そうだよな、ステータス?
「そうです。全て発動していますが、待機中の状態が三つあります」
「……」
シャドウは三つは奪われたとかいってたよな…。なら、スキルの発動自体できないんじゃないのか?
「いえ、そもそも発動形式は似ていますが、力の根源は別物です」
「ちょっ、ちょっと、待ってくれ…。シャドウだって、三つ奪われたって…」
「はい…。制御するカギは三つ奪いました。同時に発動できるのは三つまでです。ですから、四つ以上同時に発動するには…」
「そっ、そういう事は先にいえよ!」
「…すいません」
僕は再び考え込んだ。お菓子を食べて、大量のコーラを飲みながら…。
「なるほど…。わかってきたぞ…、能力チェンジ式のゲームか…」
だとしたら、切替を行なうとしばらく使えなくなるかもしれない…。一日か二日…。もしかしたら最悪…。なら、フレースヴェルグ、ドゥラスロール、ラタトスク…。消すとしたら…。
「…フレースヴェルグだな」
フレースヴェルグはかなり強力なスキルだけど、作戦を成功させるにはドゥラスロール、ラタトスクは必須…。外せない…。
「ステータス、やってくれ…」
「了解…。解除中…。完了しました…」
さて、鬼がでるか蛇がでるか…。
僕は右手の鎖を手に持ち、再び鎖を解くと闇に飲まれていき、気付けばさっきの空間に立っていた。
「おや…。…帰ってきたのかい? って、なんだ…。…もう、気付いたのか? つまらないな…」
シャドウは立ち上がり重そうな剣を肩にのせて、こちらに歩いてきた。
「シャドウ、先にいえよな…。能力チェンジ式だって…」
「理由はあるさ…。君が勘違いしているなら、それが正解なんだ…。僕からはもう干渉はできない…。それで失敗したんだから…」
「……」
「…さあ、始めようか?」
「まっ、悪いけど、今度はボコボコにするぜ…」
「ふっ…。かかってきなよ…」
僕とシャドウの戦いは始まった。長い長い戦いの中、僕はようやく手に入れることができた…。隠しスキル…ヴェズルフェルニルを…。
「やっと…やっと…勝ったー!」
「おいおい、目的が変わっているだろ…。まぁ、いい…。カギを渡す前に説明しておくことがある…」
「ああ…」
「それは…」
だが、こうしている戦っている間にシオンさんがとんでもない状況になっていることは、僕は想像もしていなかった。まさか…まさか、あの大蛇…。ヨルムンガンドの中にいたなんて…。
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