第68話 レールの無い旅

 私はたぶん中学生くらいの子供で、何かの行事で列車に乗って遠くへ行くことになった。


 木立豊かな長閑な田舎町をみんなで歩いてゆくと、雨上がりの校庭のような、平らな地面が遥か向こうのほうまで広がるところに出た。


 そこを、何故かレールが無いのに列車が運行している。

 3、4本目が私たちの乗る列車だった。

 

 学年か年齢ごとに車両を分けているらしい。小学校に入る前後ほどの年少のグループが乗る車両には、ちらほらと保護者同伴の子がいる。

 自分専用の折り畳み椅子を持ち込むお爺さんがいて、却って危ないのではと思った。


 私は年長のほうで、同じ車両に大人はいない。

 乗ってから気づいたが、列車内には寄りかかるところもあるし、揺れの少ない走行をしていた。さっきのお爺さんもたぶん大丈夫だろう。


 私の隣には仲良しの友達がいた。

 とても楽しい気分の夢だった。



 






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