第62話 ぐわんぐわん
何が怖いというのではないが、薄気味悪い夢だ。
私は幼い子供だったが、母親という設定の30代くらいの女性は、現実の母親とは全く別人だった。
「母」と私は、何処かから引っ越してきたところだ。
現実のかかりつけの病院近辺とほとんど同じ場所に。
「ここが私たちの新しいおうちよ」
この新居もまた、現実の病院とほぼ同じ建物だ。
住宅が町の病院の居抜きなんてアリか?
「母」が入口を開け、二人で入る。
もちろん現実と夢は違うので、夢ではそこは病院ではない。
よく知っている医師も看護師も、ときどき会う同じ町内住みの患者もいない。
待合室のソファも、カウンターの向こう側のロッカーもない。
壁と床と間取りだけが似ている。
私たちの家具もまだ配置されていない、がらんとした建物だ。
私は照明のスイッチをひとつひとつ点ける。
何故かサスペンスドラマのようなBGMが聞こえていた。
目が覚めたとき、横になっている時まれに頭の中がぐわんぐわんするあの感じになっていた。
※ 現実のかかりつけ病院は清潔で感じのよい所です。
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