第36話 定番? テストの夢

 高校生としてテストを受ける夢を見た。

 現実に高校生だったころとは全くやり方が違う。


 ある人物の評伝を、一時間以内に、365字以内で書くというもの。原稿用紙一枚に満たない短さだが、的確にまとめる技量も問われる。

 参考となる既存の評伝本(実在しません)となぜか英和辞典がどの席にも用意されている。どちらも紙の本だ。


 べつに学校やクラスがその人物を崇拝する集団という訳では決してない。ある時代の世相を映す存在のひとりとして題材が選ばれたのだ。

 ハッキリ思い出せないが、堀江貴文かもしれない。夢なので時代考証はない。


 題材となる人物を褒めても貶しても良いが、明らかに事実に反することを書いたら大幅減点。


 授業で学んだことを身につけていれば、その人物にもとから詳しい人を追い越せないまでも、合格点を取れるはず……と教科担当は判断したらしい。

 中学時代の担任と同じ先生だ。

 

 私は既存の評伝本に目を通すところから始めなくてはならなかった。


 夢の中だが現実逃避で本が面白くなってきたころ、筆記が全く進んでいないのを、隣席の友達に心配された。








 


 





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