第35話 ローマ風とは?
博物館にいて、豪華で風変わりな調度品を見た。
遊園地のティーカップを広くしたような円形の長椅子のようなもので、中心にある円テーブルと一体化している。高く厚い縁のあるお盆のようにも見える。
円の内側を向くことを前提にした造りだ。
お盆の縁(ちょうど椅子の座面くらいの幅がある)に腰掛けてもいいし、底にお尻をつけて縁を背もたれにして座っても良い。
木製だが、外側は絨毯のように緻密な、幾何学模様のある布地に覆われている。
内側はぐるりと帯状に、滑らかな材質の板が、上は円の縁から下は中にいる人の踵がぶつからない程度の低さまで、切れ目なく張られている。
帯状の板は、陶器かホーローかはたまたプラスチックかよく分からない。優しいピンク色の薔薇の花と淡い緑の葉の模様が隙間なく描かれていた。
アメリカの富豪が「ローマ」をイメージして作ったものだそうだ。
本当にローマふうなのか知らないが、すてきな物を見た。
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