第3話

「どっきり?」

私は、太と名乗る彼に尋ねた。


「いえ、本当です。DNA鑑定しますか?」

「いや、いい」

とっさに断った。


「じゃあ、私の夫は誰なの?」

歴史が変わるから不味いのだが、つい漏れた・・・


「○○さんです。」

「えっ?クラスメイトの彼?」


太の教えてくれたのは、クラスメイトの目立たない男の子。

嫌いではないが、特別仲は良くない。


「何年か後に、仕事で再会して、意気投合します」

「そうなんだ・・・」


これ以上は、止めておいた。


「お母さん、話を戻しますが・・・」

「私はまだ若い。お母さんはやめて・・・」

「じゃあ、なんと呼べば?」

「キャサリンと呼んで」

「お母さん」


無視かい。


「で、何?太くん」

「太でいいです。息子だし」

「じゃあ、太。私の願いを叶えてくれるって、どういう事?」


「お母さんは、歴史を解明したいんですね?」

「うん」

「なら。その時代に行って、直に観るのが早いです」

「観るって、映画じゃないんだから・・・」

「その時間帯には、は入れないので、観るでいいのです」

「・・・そう・・・」


しかし、例外もあることを、後で知る。


「早速、行きましょう。どこがいいですか?」

「本能寺の変」

「了解。乗って下さい」

「でも、食事とか服とか・・・」

「タイムマシンです。ここを出た5分後に戻ってくるようにします。」

「そういう問題では・・・」


答える間もなく、本能寺の変に向かった。


1582年か・・・


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