ずっと…… 13


2人は廊下で話してるみたいで、声は聞こえるけど内容までは解らない。

言い争ってる感じは無いから、その辺は安心だけど……

オレの事かな…。


しばらくして、カチャッと扉が開き、藍が顔だけ覗かせた。



「……達郎さんから話があるんだけど……いいか?」



……ぇ?ぁ……



「…はっ…はい! どうぞ!」


オレは慌ててベッドから下りて立ち上がる。



「ぁ…いいよ。横になったままで」



そんなオレを見て、達郎さん言ってくれたけど、

いやいや、寝てられません。 


結局、藍とオレが並んで座り、その向かえに達郎さんが座る形になった。



「……具合は、どうなの?」


「はい。目眩は、治まりました。ご心配おかけして、すみません」


「そう。……良かった」


労るような…でも少し申し訳なさそうに小さく笑った。



「愛さん……」


「はい」



達郎さんは、小さく息を吐いて黙ってしまった。


言葉を選んでいるのか…


オレには、言い出しづらい事を話そうとしているように見えた。

 

だったらオレが助け舟を出してあげよう。



「やっぱり、オレ達の事反対ですよね」

 


言い当てられたと思ったのか、俯いていた顔を上げ、オレの目を真っ直ぐに見つめた。


「達郎さんの気持ち、解ります。男だし、身体弱そうだし、面倒くさそうだし、何かありそうだし。オレも、自分の事嫌いでした」


「…愛?!」



オレは、そっと藍の背中のシャツを握った。

オレに力を貸してね。


そんな気持ちを込めて。



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