事実と真実 4


個室に入り、男は荒々しくネクタイを外すと、それで、オレの手首を後ろ手に縛った。


オレの背中をドアに押しつけ、服をたくし上げた。


「…ああ…綺麗だよ…興奮する…」



オレの脇腹に手を添えながら胸に向かって舌を這わせてくる。



「綺麗だ…はぁ…この紅い果実も…」



胸の中心を舌で嬲り、片方も指で擽るように、いじられた。



「プクッとして、ピンク色で…ダメだ…誰にも渡したくない…この身体は、私のものだ…。」


身体中を舐めまわされ、履いていたデニムパンツを下ろされた。


瞬間、冷っとした冷気が下半身を纏い、オレの心も凍りつかせた。


5分…5分で済む。5分で、オレも解放され、哲哉さんにも害を及ぼす事はない。


5分だ…。



「もっと味わいたいが、私も苦しくなってきたのでね…」



そう言って、オレの向きを変えた。



「…ハァッ……」



男が指を入れてきた。



「いいよ…もっと声出して…私も、興奮する…」



徐々に増えていく指…


その度に、不本意ながら出てしまう声…



オレ…何やってるんだろ…


さっきまで…あんなに楽しかったのに…


これじゃ…本当に…



男娼だ…




「そろそろいいかな…」



後ろから響くベルトを外す音…



これは悪夢じゃない…現実だ…!


男のモノが、後に触れた…



ああ…



藍…!藍!


…藍以外の人を受け入れるなんて…


イヤ…嫌だ!



「いや…やめ…て…!」


「抵抗するのも…そそるね…」



さらにグイッと押してきた。



いや…入っちゃう…藍…!助けて…!




「そこまでだ!」



頭上から声がした。


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