藍のアパートで…… 8


トロ~ンとした気持ちでいると、

後ろに異物感が…と同時に…

それは、静かに律動を始めた。



「…痛くないか?」



心配そうな…だけど熱を帯びた目で、オレの顔を覗き込んできた。



「ん…痛く…な…い…」



違和感は、あったけど、痛いとかじゃなくて…

藍がオレの中を触ってると思うと…

恥ずかしさより、充足感でいっぱいだった。



「指…増やすぞ…」



小さく頷くと、ゆっくりと侵入してきた。



「ぁ…はぁ…っ」



2本の指が、ゆっくりとオレの中で動きだす。

 


「…あ…っ…ぅ…ん…」

 


ダメだ…気持ち良すぎて…腰が勝手に…!



「ぁ…はぁ…っ…」



浮いてきちゃう。…オレの中心も疼いて…



「愛のいいところ…教えて?」


「…や…っ…わかんな…」


「…教えてくれるんだ…」



ぇ…?


気づいたら、腰が勝手に動いてて…


止まらなくて…



「嫌…勝…手に…動いて…ぁ…恥ず…かし…」



こんな…オレ…引く?



「大丈夫だよ…」



ぇ…?



「…さっきも…言ったろ?…どんな愛も大好きだよ…て…だから…

オレが与える快楽に…身を委ねてよ…な?」


「…あ…お…っ…」


「…ん…っ」



労るような瞳だけど、藍も目がトロンとしてきて…

そんな表情を見せるのは、オレの前だけだよね…



「……この辺かな…?」



そう呟いて、腹側のコリッとしたところを擦った…



「は…ぁあっ…!」



堪えがきかなくなってたオレは、背中が

大きく反れてしまった。



「…ここね。」



そこを集中的に狙ってくる藍。



「いや…っ…ごめ…ぁ…変な…はぁ…っ…声が…出ちゃう…」


「いいよ…聴かせて?」



2本の指それぞれが、オレの中で動きまわる。



「ぁ…いや……もう…ダ…メ…」



相変わらず、オレの腰は勝手に動いていて、

それでもどうにもならない疼きを解消するため、

オレのモノに手を伸ばした。


でも…藍に阻まれてしまう。



「…何で?…苦しい…の…お願い…」


「そんな顔したってダメ…そこも…オレがヤるから…」



空いている手で、オレのモノに触れる。


それだけで、ピクンと反応してしまう。



「優しくするから…オレに任せて…」



藍は、オレの先端に触れると、とっくに溢れていた透明の液を指でのばし始めた。


ヒクヒクするオレ…。

 

そのまま、幹に移動し扱き始める。



「ぁ…もう…ダメ…イきそう…!」


「まだダメ…」



そう呟いたと思ったら、先端を口に含ませた。



「ひゃ…ぁ…っ…!」



敏感になっていたモノを咥えられて、

たまらず声が出る。


唾液を含んだ藍の口の中で、さらに形を変えていく…



「ぁ…っ…も…」



オレのを擦る律動が速さを増す


それと同時に、後ろも擦られ…



「は…ぁ…っ…も…ダメ…」



身体中の熱が、出口を求めて中心に集まってくる



「で…る…ぁ…で…出ちゃうから…はな…れて…!」



それでも藍は、咥えたまま…愛撫を止めてくれない…


このままじゃ……お願いだから…オレの意識が飛ぶ前に…



「…離れて…!」


 

さらに律動が速くなり、先端に藍の歯が当たった瞬間…!



頭の中が、真っ白にスパークした。



一瞬、記憶が飛んだような…そんな感覚に襲われた。




ぁ…オレ…



全身が、鉛のように重たかったが、

でもそれは…どこか心地良かった。

 


あ…っ…藍?


上体を起こそうとしたが、力が入らない…


オレ…結局間に合わなくて、藍に…



どうなったか確認するため、自分の下半身を見てみたんだけど…


そこに、信じられない光景が…


藍が、オレの…飲んでる…ていうより、吸い上げてる……。



「な…に…してる…の?」



思考がまだ…ついてけてない…


藍は、オレの問いには応えず、

今度は、オレのモノをペロペロと舐めあげ始めた。


オレを見ながらのその行為は、何だか妖しく見えて…


最後に、ペロッと唇を舐めたしぐさを見て、やっと追いついた。



「な…っ…何してるの?!」


「何って…全部、オレのものにしただけ。」


「…は?」


 

徐々に頭がはっきりしてきた。


オレ…



オレって…



ぅ…うわあぁぁぁっ!!


オレ、紫津木藍に何させてるんだ?


そう思ったら、自然に藍の腕を引いていた。


不意をつかれた藍は、簡単にオレに引き寄せられて、オレの顔の横に、両手をついた。


目を見開いている藍をよそに、藍の後頭部に手を回して、唇を重ねた。


口の中に自分の舌を滑り込ませ、

上顎や下顎、歯列を丁寧になぞり、

最後に、藍の舌を絡めとり、吸い上げ

そして、ゆっくりと唇を離した。



「…愛?」


「口の中のバイキン、全部消毒したよ。」



それは、紛れもないオレの本音で…

 

だって…あの紫津木藍だよ?


何故かオレは、初めて藍に会った日の事を思い出していた。



オレの出したもので、藍を汚すなんて…




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