互いの気持ち 11


紫津木は、優しくオレを横たえてくれた。


月明かりが射し込んでるとは言え、暗くて表情までは良く見えないけど、口角が上がってる口元は、ちゃんと見えて、ホッとした。


オレを横たえた後、彼は、自分のシャツのボタンを右手で外し始めた。


オレは、次第に露わになっていく紫津木の身体に釘付けになっていた。


月明かりだけが頼りだけど、鍛えられた身体ということは見て取れて、思わず目を逸らしてしまう。



「愛?…こっち向いて。」



甘いその声だけで、どうにかなってしまいそうなのに…

 


紫津木は、空いてる左手でオレの右手をとり、手の甲にリップ音をつけてキスをした。


そのまま舌を這わせ、中指を口の中に含むと、まるでアソコを舐めるみたいに…

○ェラしてるみたいな動きをされて…


必死に声を堪えた。


指を舐められただけなのに…


オレ…どんだけ盛ってるんだよ。


恥ずかしいだろ。



「愛…我慢しないで。声が聞きたい。」



………紫津木からは…オレの顔…見えてるのかな…?


そう思ったら恥ずかしくて、両腕で顔を隠した。



「愛も見せて。」



え…?



チラッと腕の隙間から、紫津木の顔を見ると、オレのTシャツの裾を捲っていて、あっという間に脱がされてしまった。



「綺麗だ…。」



え…っ?


この身体のどこが?



「あんま見ないで。」


「どうして? もっとよく見せて。」



紫津木はオレに跨がると、両手をオレの顔の横についた。


ああ!オレ…、言葉だけでも顔から火が出て、ショートしそう…!



「紫…藍は、いいよな。余裕で…。こういう場も慣れてそうだし…。」



つい、心にもない悪態をついてしまう。



「……確かに慣れてるかもしれねぇけど…」

 

  

そう言うと、オレの手をとって自分の胸に導いた。

 

早鐘を打つ藍の心臓…。


同じ…?


オレと同じようにドキドキしてんの?



「…好きな奴を抱くのは、初めてなんだ。」



え…っ



「藍…」



オレが名前を口にすると、更に速さを増した。



「な?……愛の前で、余裕だった事なんて1度もねぇよ。」


「あ…お…」


「名前…」


「え…?」


「お前に呼ばれると、すっげぇ興奮する…」


「……ん…っ…」



藍は、両肘をオレの顔の横について身体を支えながら、唇を重ねてきた。



「……っ…はぁ…」


「…ん…ぁ…っ」



藍からも甘い声が聞こえてきて…


そんな事も、オレを興奮させて…疼かせた…。


 

ああ……好きな人と、ベッドをともにするって……こういう事なんだ。


初めて知ったよ…。

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