尊敬と嫉妬 4


ん?…でも、そうだよな。



「じゃ、なんで告白したの? 一生しないつもりだったんだろ?」

 

「それは…」

   

 

オレから視線を逸らして…


黙ってしまった。



そして…



「…カフェラテ飲まない?」



なんだよ。そのはっきり解るごまかし方は…。


 

「言いたくないの?」


「うん…すまん…これだけは…。」


「わかった。いいよ、別に。」


 

そして本当に、カフェラテを飲んでみた。



甘っ…!



「なんでカフェラテにしたの?」

 


同じくカフェラテを飲んでるイケメンに訊いてみた。



「苛ついてたろ? カルシウム足りないかと思って、ミルクが入ってるカフェラテにしてみました。」


「流石、敏腕マネージャーですね。」



皮肉っぽく言ったけど、気づかねぇだろうな。

   

こっちは熱くなっちまったけど、冷静に対応してたんだな。

 

頭上がらねぇよ…。



「話を脱線させちゃったから、元に戻すけど、愛ちゃんは、安堂からどうやって指示受けてんの?」

 

「公衆電話から携帯にかけてくるらしいです。」


「公衆電話?! 今どき?! まあ、いい。……わかった。 オレの方で、安堂の居場所突き止めてみるよ。だから、紫津木は、愛ちゃんの傍に居てやれ。」



葵さん……。



「それから……愛ちゃんの事なんだけど。」


「はい。」


「オレ達が平気だって言っても、安堂とのケリがつかない限り、愛ちゃんは男を受け入れると思う。 だから、お前がしっかり守ってやれ。」


「わかってます。」


「よし!今日は楽しかったよ。 紫津木のタメ口が聞けたからな。」



っ!!



「すみません!」


「いいよ。男同士の話だったからね。いつもより、近くに感じれて良かった。」


と、いつもの葵さんスマイル。


オレが女の子だったら、破壊力抜群なんだろうけど……すんません。



「という事で、紫津木の奢りね。」


「はあ?」



でも……ありがとうございました。



レジで、ミクちゃんに支払いを済ませた後、


「ミクちゃん。今日は、なんかごめんね。今度、ゆっくり遊びに来るよ。」


と、一応フォローしておいた。



だから葵さん…『へぇ』みたいな顔は、止めて下さい。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る