女の子……? 7

「それより……ごめんね。 お邪魔したうえに寝ちゃって……。」 



嘘は苦手なので、話を切り替えた。



「いえ……こんな所で寝かせてしまって……すみません。」



彼女も察してくれたのか、それ以上は訊いてこなかった。



「オレとの体格差考えれば、そんなの仕方ないんじゃない? それより……布団かけてくれて、ありがとう。」


「そんな……当然です。」



彼女は頬を赤らめて、俯いた。


こんなことで赤くなって……

悪い奴に騙されなきゃいいけど。



「あっ……ねぇ……外の景色見ていい?」


「?……どうぞ。」

 

「昨日……この出窓が気になってたんだ。」



窓の側に行くと、思ってた以上に大きな造りで、

そこからは、嫌味なくらいに太陽が照りつけていた。


オレは、出窓に上がって外の様子を眺めた。


やっぱ、高いから景色が一望出来るな。


遠くに見える街、木々が、太陽の色に染まって、キラキラ光っていた。



何か……ここだけが時の流れが止まったみたいで……落ち着くな……。



暫く景色を眺めていたら、見覚えのある建物が……。



「うちの学校が見える……結構近いんだな。」



ん?……そういえば如月きさらぎさんは……?


忘れてたなんて言ったら、叱られるかな……?



リビングを見てみると、急に暗い部屋を見たせいか、よく見えない。


次第に目が慣れてくると……、

こっちを向いて立っているのは、わかる。

でも、顔がよく見えない。



如月きさらぎさん……?」



返事が無い……。


えっ……?



如月きさらぎさん……? どうかした……?」



次第に目が慣れてきて、顔が見えてきた。


あれ……?

オレの顔見ながら、考え事してんのかな?


ぼーっとしてるように見えたからだ。 


まぁいいや。オレも見てやれ。


オレのイタズラ心に火が付いた。

 


オレは、両足を下ろして出窓に腰掛けながら、完全に如月きさらぎさんの正面を向いて見つめた。


いつ気がつくかな……?


しっかし……顔をジロジロ見られるのは慣れてるけど、考え事されるのは初めてだな。



プッ……クックッ



我慢したけど、こらえきれず吹き出してしまった。

その時、如月きさらぎさんの両目がパチッとなって、戻ってきた。



如月きさらぎさん?気がついた?」



急激に顔が赤くなるのがわかる。



おもしれぇ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る