もしかして充実してるんじゃない?



「へぇ〜。これがあなたの住んでる家なのね」


夢乃ゆめの眞樹まきの家の前で謎に感心していた。


「いや、何回も来たことあるだろ」

「それはそうといとこがいるのよね?」

「も、もちろんです!なんか緊張しますね」

いや、なんでだよ。

えっ、もしかして結婚ですか?違いますよね。

なぜ緊張?

とはいいつつ自分も緊張してるんだよな、、、


夢乃と眞樹は恐る恐るいとこのいるリビングのドアを開けた。


「「あ。」」


夢乃と俺は声をハモらせた。

なぜなら全裸待機していたいとこ?がいたからだ。

ガチャンッ!!

「ちょっと!!どうして閉めるんですか!!」

ドア越しからいとこと思われる猥褻罪ギリギリの男が大声でドアを開けようとしている。

それに対抗するように夢乃と俺は

「「へ、へんたぁぁぁあああい!!」」

と叫んでいた。


柚乃ゆのは謎に生暖かい目で見守っていたのだ。。。


その後柚乃が自我を取り戻したかのようにハッとし、なんとかその場をまとめて?くれた。


-数分後-


山佐華やまさか梨紅りくといいます」

意外とイケボというやつだった。

あっちなみにだけど服はちゃんと着てます。

いや着てるのが一番当たり前だけどね。


話を聞くとどうやら1つ年が上らしい。

つまり高校2年生、先輩ってことだ。

特に問題もなく解決したこの事件(?)だが本当に自分がびっくりしたのはまた後のことだった。


-夏休みの出校日-


「それじゃ、今日から本格的に文化祭に向けて頑張るぞ!!」


「…」


誰が反応してやれよ。

そう今日からメイド喫茶の作製が始まるのだ。

さっきの反応で察してると思うが学級委員長だけがテンションマックスだ。

なんならみんなちょっと引いてるからな、、、

かわいそうだな。

まぁ久しぶりにクラスのために頑張るかな。。。


「眞樹くーん!!」

そうやって呼んだのはこのクラスで彼女しかいない。

柚乃だ。

謎に笑顔でこう言った。

「メイド喫茶でさぁ。メイド役やってね!」

「無理だ」

「無理じゃない」

「無理です」

「もう決まったの!」

柚乃さん。人権って知ってる?

どうやらクラスで下位の俺にはどうやらこの状況は覆そうにない。

諦めるしかないのか。


しかもなにが嫌かというとみんなの前で大声で言っているということだ。

そう、説明していなかったが今はホームルーム中だ。

他のやつからしたら、ホームルーム中に委員長が叫び、柚乃の俺のメイドの会話を聞かされてることになる。

恥ずかしすぎる。ラップっぽく言えば、like a オワタ 


実際不便なことはなにもなく準備は進んでいった。

メニューは飲食店を経営してる親に頼んだり。

メイド服はなぜかすごい裁縫スキル持ってる女子が手縫いで作ったり。

まぁ装飾は男子担当だったからものすごくオタクチックで1度女子と揉めたっていうのは内緒で。。。


家に帰ればクラスメイトがいて登校する時には幼馴染が

「昨日の夜は柚乃さんとなんかあった??」

と質問され、学校に行けばメイドの服を着て振る舞いをレクチャーされる。

嫌な夏休みだな。

いややっぱ不便だな。


よくよく考えれば陰キャな生活してなくないか俺?

まぁ誰にでも構われないよりかはマシなのかもしれないな。。。


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陰キャに憧れてる陰キャ(俺の学生生活ドタバタすぎん?) 柴蓮(翔琉) @jack_kakeru

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