家に知らない人がいました。



「あっ」


「えっ」


____


眞樹は久しぶりにポエム日記を開く


あぁ。久しぶりだな。夏休み入ってからは特に書くこともなかったからな、、、

いや、書くことばっかだったな。


眞樹はシャーペンを持ちノートに先程あったことを書いた。



夢乃ゆめのとメイド喫茶に行って、家に帰るとそこには柚乃ゆのと知らない男がいた。

俺は正直誰でもいいんだ。

たとえ柚乃の兄でも。

たとえ、柚乃から彼氏でも。

ただその男がもし、彼氏ボーイフレンドだとしたならもう柚乃と俺は知り合いという関係のほか何もない。

当たり前だが同棲なんて今すぐやめなければならない。

柚乃と俺の住む世界は違うんだ。

そんなことわかっていた。

とっくの前から知っていた。


でもまだ1週間ぐらいしか経ってないのにちょっと展開がはやくないか??



眞樹はノートを閉じる。

そしてこう思った。


これのどこがポエム日記だよぉぉぉぉお!!!!

ちょっと気持ち悪い嫉妬が入ってんじゃねぇかよ!

別に!俺は非リアだよぉ!陰キャだよぉお!!

それのぉ!なにがぁ!悪いんだよぉお!!


ゴホンゴホン。

取り乱してしまった。

いくら口にはしてないとはいえ情けなかったな。

全く昨日はびっくりしたな。


____


「あっ」


「えっ」


「し、失礼しましたぁ」

「ま、まって!!眞樹くん!!」

「あ、彼が眞樹くんか!!ちょっと勘違いだよ!!」


眞樹はものすごい焦って家を飛び出し夢乃の家へと向かった。


「いきなり女の部屋に押しかけるとかキモいよ」

「すまない。家の鍵を忘れてな」

そもそも夢乃に柚乃と同棲していることを言えるわけがない。

だが唯一今頼れるのは夢乃だけなんだよなぁ。


「テッテレン♪」

メールか、、、!?

柚乃か、今は無視しておくべきだろうな。


「なに、無言になってんの?まだなんも説明受けてないんだけど…」


「ピンポーン♪」

「全くお母さんまた変な通販頼んだの?」

夢乃は玄関は向かった。


「失礼しまーす!」

!?

その声は柚乃だった。

「ゆ、柚乃さん!」

なぜこの場所がわかったんだ!?

「ここか!!眞樹くん、説明したいことあるから今すぐ家に帰るよ!!」

「眞樹!!これどういう、、えっ?今『家に帰る』って言ったよね?貴方達家一緒なの?」


「はい!」

「いいえ」

「どっちなのよ!!」


____


「へぇ〜お姉さんが柚乃さんをね、、、」

「はい、そういうことです」

「です!!」

なんで柚乃さんはそんなニコニコの笑顔なんだ、、、

それにしても夢乃の顔がだんだん鬼瓦に、、、、!

「やましいことはしてないんでしょうね!」

「も、も、もちろんです!!」

アメコミのサ○スみたいな顔してる!?

「まぁでもあんたのお姉さんは本当不思議な人だからそうなってもおかしくはないか、、、」

いや、おかしいんだよ。

なに納得してんだよ。

「それじゃぁ、、眞樹くんとかえりまぁす」

ちょっと小さい声で夢乃にいう。

すると覚悟を決めたような顔で

「いや!私も住む!」

「お断りします」

「なんでよ!柚乃さんも住んでるんでしょ!」

いや、それ理由になってないだろ。

っていうかなんで夢乃と住まないといけないんだよ。

「眞樹くん、、、なんでそんなびっくりしないの?

今夢乃さんは『一緒に住む』って言ったんだよ?」

「まぁ幼馴染というやつで耐性がついてるんだよ。

ある程度おかしなこと言ってもなんとも思わないさ」

実際間違ってないからな。

もうなにを言われてもびっくりしない。

いや、メイド喫茶はびっくりしたけどな。

「ゆ、夢乃さん?眞樹くんが心配なのはわかりますが本当に安心安全な家なので!!」

いや逆に安心安全じゃない家ってどんなだよ。

朝起きたら銃撃戦か?

ご飯には毒でももってんのか?

「心配?、、、っん!?し、心配なんかしてないし!

(ただずるいと思っただけで、、、」

「なんだよ。はっきり言えよ夢乃」

「まぁいいわ!一緒に住まないであげる!」

なんだその上から目線は俺の家はお前らのものじゃないからな。


「ちなみになんで眞樹は私の家に来たの?」

「!?そ、そうだよっ!柚乃が知らない男と俺の家で、、、」

「柚乃さんって!人の家で男の人とそんなことする人だったの!?」

「そんなことってどんなことなのぉ!!

違いますよ!!あの人は私のいとこです!」

「「い・と・こ・?」」

「はい!夏休み明けから同じ高校に転入してくるんですよ!」

「つまりこっちに引っ越してくるというわけね」

「はい!そういうことです!」

さすが理解力高いな、夢乃は。

「で、そのいとこさんとやらはどこにいるのかしら?」

「あっ、家で待ってます」

「って事は私も挨拶をする必要があるようね」

「いや、夢乃はいらないだろ!!」

「今なんて?」

いや目も何もかもが怖いです。


____


こうして夢乃はとうとう柚乃と住んでいる家に来ることになった。

とは言っても夢乃は昔来たことあるし何も変わらないのだが、、、






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