幼馴染とメイド喫茶って猛者じゃない?
「ごめん。待った?」
「いや、全く待ってないけど」
「そう言う時はさ、『いや、全然待ってないよ!』ってもうちょっと明るく言うんだよ?なんでスマホを見ながら言うかな」
「で今日はどこ行くんだよ?」
「今日はメイド喫茶に行く予定だけど」
「へぇ〜。……はっ!?め、め、め、メイド喫茶!?」
「そうだけど嫌?」
「い、嫌ではないけど…」
陰キャ、非リア、ヲタクで実際にメイド喫茶に行く人は半分もいってなさそうで有名な、、、
あのメイド喫茶か、、、
「だって文化祭はメイド喫茶やるんでしょ?わざわざあなたのために予約してあげたの!」
「は、はぁ。あ、アリガト?」
「なんで疑問形になるの!?」
いや、なる!だろお前は違うクラスだし、ま、まぁいいか、、、
"カラ〜ン"とお店のドアのベルがなる。
「予約した
な、なんかすごい場所だな。THEヲタクって言う人達ばっかだな。
とはいいつつ家族の方とか意外といるんだな。。。
2人は語尾に"にゃん"をつけたメイドさんに案内された席に座り、一通り説明を受けた。
「意外と客の年齢は幅広いんだな、、、」
「そうらしいね、私も来るの初めてだからなんか緊張しちゃった」
緊張というか謎の嫉妬と怒りが見えてたぞ。
というのもメイドさんの胸を見て一気に目つきが変わったからな。
高校生だからってまだ成長は止まってないぞ夢乃。
「ん?なんか言った?」
「い、いや!なんも言ってないよ!」
つい口に出てしまったようだ。
「これがぁ、私のぉ、愛情ぅ、た〜っぷりのっ!
お・む・ら・い・す♡ですっ!」
夢乃はちょっと引き気味に"ありがとうございます"と返す。
高校1年生の女子にはちょっと難易度が高かったかな。
「あなたよくそんなことできるわね」
おい!メイドに何言ってるんだよ!
「そう?夢乃さん。私はこれにやりがいを持ってるのだけれども」
!?
知り合いか?さっきのメイド風とは打って変わってものすごく冷徹な感じだ、、、
「あっ、挨拶がおくれましたぁ!
メイドの!みれぃ!です!!!」
あっ戻った。
それにエクスクラメーションマークが多すぎる。
「いや、いきなり言われましても、、、あ!?
生徒会長の!
「そうです!よろしくね!眞樹くん♡」
ちょっと可愛いと思ってしまった。
"さん"をつけて読んでいるが実際は年上でもなく同級生だ。
高校1年生からいきなり生徒会長になり最初は先輩からの
そうか、夢乃と美麗さんは同クラスだったか。
そういえば夢乃が容姿端麗で成績優秀になったきっかけは生徒会長に原因があるんだったかな。
噂で聞いたぐらいだけどな。
いくら幼馴染だとはいえ頑張ろうとした理由を聞くのは野暮だと思っている。
相手から話そうと思ったら聞くのが1番だ。
「夢乃さん?今のあなたがいるのは私のおかげではなくて?」
「生徒会長、それはどういう?」
つい口にしてしまった。
あまり聞かない方が良かったかもしれない。
「あれっ?眞樹くん知らない?夢乃と私中学受験の塾の冬季講習が一緒だったの」
初耳だ。
「私は途中参加だったんだけど私が参加するまでは夢乃がクラスでトップだったけれど私が参加したら2位に下がっちゃって変に反感をもらってるの」
いや、美麗さんはなんでそんな他人事のように言えるんだ!?
「うるさい黙って。あの時は私が手を抜いただけ。それに今はもう違う。今ではあなたは私の下よ!!!」
なぜそんな勝ち誇った顔をしているんだ夢乃。。。
しかしメイドと幼馴染みが言い合いしてるのをみてなんかこうふn、ゴホッゴホ、、、
なんでもないからね!!
その後美麗さんはまた来てね!と可愛い笑顔で店を出る俺らを見送ってくれた。
もちろん夢乃はずっと睨んでたけどな。
「それにしても生徒会長がメイド喫茶でバイトしてたなんてな」
「眞樹、知らなかったの?」
「えっ?夢乃さん知ってたんすか??」
「一応ね」
あっ、わかった。美麗さんと言い合いをしに行くためにメイド喫茶に行ったってことか。
夏休みちょっとした刺激が欲しかったんだな。
まぁなんともツンデレな夢乃らしい。
というか俺1人がメイド喫茶に行ったところで文化祭にはなにも活かせない気がするんだが、それはおそらく触れてはいけないことなのだろう。
それに夢乃をメイド喫茶に1人で行かせるわけにもいかない。
そんなことを思いながら2人で帰っていた。
夢乃とはわかれ、眞樹は本来柚乃しかいない家に帰る。
ただそこには柚乃
と知らない男がリビングにいたのだった。
「あっ」
「えっ」
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