本当に2日しか経ってないの?



「アンケートはっぴょぉぉぉお〜!」

いや、学級委員長さん動画投稿配信者みたいな言い方やめて。

しかもみんな部活やらなんやらで半分ぐらい来てないじゃん。

まぁ大体はなんやらの方で来てないと思うけどね。

個人的予想はサボりでしょうね。

ってそんな無駄な事考えてたらもう黒板に結果が書かれてるじゃん。

「…」

えっ。。。

「って事で文化祭はメイドカフェやりまーす!」

いやいや、委員長さん。無理でしょ。無理無理。

「山内先生がやればいいんじゃないんですかぁ?」

出た。柚乃ゆのさん特有の先生に押し付け。

彼女は毎回先生に押し付ける。山内先生もあの歳でやるんだ。。。

いや女性だからいいと思うけどね。

ちなみに歳は不詳。

でも多分、、、いや、やめとこう。

「いや、みんなの文化祭だ私もやるがクラスのみんなもやるんだぞ」

あれっ。意外とノリ気な先生じゃん。

ん?あっすごい涙目だった。多分今はなき青春を思い出したんだろうな。ご愁傷さまです。

「って事で今回は結果発表だけの予定だったのでこれで解散です。来週からまた本格的に準備しますのでみんなよろしくね」

マジか委員長。それだったら結果発表絶対今日じゃなくてよかったよね。


彼はそっと軽いバッグを持ちクラスを出た。

さっと帰ろうと廊下を歩くと。


「おい、眞樹!」

「あっはい、なんでしょう。先生。」

「頑張れよ。」

「いや、何を頑張るんですか??」

「色々だよ。んじゃ。」

「は、はぁ」


家に帰った後彼はいつも通り無駄な昼寝をしていた。

外には降るはずのなかった雨が降り続く。

雨の音で起きた彼にちょうど一本の電話が。。。


「ぁい。新高にいときです。」

「あれ?もしかして寝てた感じ?」

そこにはギャルっぽい女の人の声が、

「すいません。間違い電話では?」

「いやいや、眞樹まき君だよね!!」

「ん?あっ柚乃さんか、って!なんで電話番号知ってるんだよ」

もしかしてフリーダイヤルですか?違いますか?違いますか。そうですよね。

「いや、山内先生から教えてもらってさ。あのね!!ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど。。。」

「えっ何?メンヘラ元カレに今カレのフリしてやり過ごしてなんてのは無理です」

「いや、違うから!!できたらでいいんだけどね?家に住まわしてくれない?」

「は?」

俺は1度考えることをやめてしまった。

彼女は何を言っているのだろう。

「いや、だから、、、家に住まわしてください!!」

「いや、ごめんなさい。」

いや、無理だろ。絶対のちに署まで連行されるパターンだよね。

「あ、あのね。実はもう決まってるの。明日から眞樹君の家に住むから。よ、よろしくっ!!」

ガチャ。

あっ切れた。キレたいのはこっちだけどね。

あははは、あははは、、、

笑ってる場合じゃないよ!!

ちょ、ちょっと姉さんに聞かないと。

彼は走ってリビングで駆け下りた。

「ね、姉さん!!明日から知らないビッチ女が来るんだけど、どうしよう!!」

あっ、またテレビに向かってペンライト振ってるよ。

「柚乃っちにそれは失礼でしょ。まっくん」

「ゆ、ユノッチ??」

「なんでカタカナになるのかな?(笑)

私が柚乃っちに一緒に住もう?って言ったのさ」

「いや、なんでなんで!!??」

「うちの親出張ばっかりじゃん?それで2人きりとか寂しいからさお父さんお母さんとか相手の親にも話つけておいたし、、ね?」

「ね?じゃなくてさ!!そもそもどうして姉さんと柚乃さんが知り合いなの!?」

「あっ知らない?ナンパだよ?」

「ナ・ン・パ・?」

頭が固まってしまった。いや、脳が固まってしまった。

姉さんは何を言っているのだろう。

「いやぁね?私がさ!適当にその辺の女の子に声かけてたらさ!柚乃っちだけが了承してくれたの!

まっ、そゆことで!」

・・・。

絶句だ。訳がわからない。

えっ?ナンパで一緒に住んでくれるもんなの!?

いやいや、えっ?そうなの?そういうもんなの?そもそも同性にナンパってするもんなの?

やだ、俺ナンパまだ未経験者だからわかんない。

多分永遠に未経験だと思うけどさ。

一緒に住むの?同じクラスの?ちょっとギャルっぽい?

ま、まぁまだ話したこともそんなないけどさ。

今日の学校のこと考えたらちょっとカースト高そうなめんどくさい系女子じゃないの?

でも電話の時はなんかやけに低姿勢だったな。。。

読んで字の如く、訳がわからない。

だって。それってほぼ同棲じゃん。。。


彼は翌日の朝まで1人でずっとこの案件で持ちきりだった。。。


-翌日の朝-

「失礼しまーす!あっ!眞樹ねえ!今日からお願いします!」

「柚乃っちぃ〜!!可愛いねぇあなたさまは!」

再び絶句だ。眞樹ねぇ って姉さん、彼女にまだ名前教えてないのかよ。。。

玄関で小一時間姉とクラスメイトが触れ合っていた。


「じゃあまっくんの隣の部屋だから!よろしくぅ〜」

どうやらそうなったらしい。

もう何も口出しはしないしできない。

「あっ眞樹君おはよ!今日からよろだね!」

よろ?なにそれあっ、よろしくの略ね。

略すなよな。そんな言葉年とってる子にはわからないよ。


あれ?もしかしてここ1週間何も話進んでなくね?

ってか大事件だよね。


この2日が長く感じた眞樹だった。

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