陰キャに憧れてる陰キャ(俺の学生生活ドタバタすぎん?)

柴蓮(翔琉)

ポエム日記書きはじめました。


青春とは嘘であり、、、


っておいダメだろこの始まりは(苦笑)

確かにそう思ったし、否定する気持ちなんて一切ないけど初っ端からこれはダメだな。

やりなおしだ。


学生における偽善も全て青春という記憶のアルバムの中に100%の善として保存することができる。


こんな始まりで良いだろうか。

ちょっとそれっぽくルーズリーフに日記を書きはじめてみたが形にはなってる。

ただ言っていることは何も変わらない。


俺は友達が嫌いだ。


〜7月20日〜

ホームルームの時間に先生がテキトーに9月に行われる体育祭、文化祭の説明をしている。

適当ではなくテキトーだ。

適当は今の若者が使う"雑"とかではなく"均等"という意味に近いのだ。

だから適当ではなく、雑っぽく聞こえるテキトーだ。

うちの担任は確かこの学校に9年もいるらしいからどうやら飽きてきているのだろう。

もうひどいくらいに顔に出てる。

ほら先生、ため息の範囲を超えてるぐらい息吐いちゃってるよ。

それ本当に息を溜めているのかな(苦笑)


〜7月21日〜

今日は学級委員長様がクラスのみんなに文化祭で何したいかアンケートをとっている。

ねぇ?知ってるかな、委員長さん。

学生さんは7月23日くらいに夏休み入っちゃうんだけどあと、2日で決まるわけないでしょ。。。

隣にいる副委員長さんはなんか諦めの顔しちゃってるし。

夏休みに学校来てみんなでがんばろう!!

とか言っても本当に来るのはちょっとクラスに馴染めてない陰よりの女子2人組ぐらいだよ。

そんでもって誰も来なかった時に2人だけでものすごく愚痴り合うんだよね。

うん、女子怖いよ。


〜7月22日〜

夏休み前日の全校集会だってさ。

校長先生がなんかいってらぁw

って俺の後ろの2人組が言ってるよ。

口悪いのダメ。絶対。

上には敬いなさいよ。そこの2人!めっ。

って心の中では言ってみたけど通じるはずもなくっていうかあのアンケートどうなったのよ。

まだ結果も何も知らされてないんだけど。。

今日の時間割は全校集会と大掃除だけですけど大丈夫かなこれ。




いや何このポエムみたいな日記は!?

ちょっと勘違い陰キャに憧れすぎじゃない、俺。

これはイキリートルみたいじゃん。

いや、キシ◯トールでもないしイキ◯トでもないからね。うん。違うから。


彼はそっとルーズリーフの表紙に

新高にいとき眞樹まきという自分の名前と

「ポエム日記」と書いたのだった。


翌日の朝、眞樹は夏休みの初日から自分の部屋でパジャマのままベッドでアニメを見ていた。

もちろん見ているのは俺ガ◯ル。

彼は"実は意外と頭のきれる地味にかっこいい系陰キャ"に憧れているのである。

そのため言動全てが周りくどくめんどくさくなっている。

そもそもがクラスに馴染めていないため誰も気づいていないが中学の時はクラスの中心的な人だった。

ただ高校に入るまでの春休みに深夜系アニメにハマってしまい今はこの有り様。

家族に対しても変わらない態度だ。

ちょうど4話分見たぐらいに朝食という昼食を食べにリビングへ向かうと

「あっまっくん。おはー。夏休みの宿題終わった?」

眞樹の姉がソファーに座って今話題の韓国グループのアーティスト特集を片手にペンライトを持ち見ていた。

「いやまだ夏休み入ってから12時間ぐらいしか経ってないし、そもそも今回は夏休みに職場体験があるから宿題はないよ」

あと、テレビに向かってペンライト振るのはイタイよ、姉さん。

と口に出すと怒られそうなため心の中に留めておいた。

「うん。今絶対 イタイよ。姉さん。 って思ったよね。あとでお姉さんの部屋に来なさい。ご奉仕してあげる」

「そんな事言葉にしてないし、思ってないし、ご奉仕という姉さんの宿題を手伝わされるんでしょ」

そう姉さんは僕の2個上。

つまり高校3年生。受験生が夏休みテレビに向かってペンライト振っていかがなものか。

っていうかなんで イタイよ。のあとの 姉さん。 も当ててくるんだ。いと怖けり、姉。

「なんでまっくんは毎回まわりくどい話し方するの。別にいいけどさ。そういうのは父さん母さん泣いちゃうよ?頑張って育ててくれたのに。

わざわざ夜に2人でベッドに入って、、、」

「ちょちょちょちょちょ!!ダメ。その先はダメ。絶対だよ。親のそんな事考えたらもう会わせる顔がないです。」

姉はあははあははと笑いながらテレビ向かって今もなおペンライトを振り続けている。姉と下ネタ話すって職員室出ようと扉開けた瞬間にちょっとセクシーな背の高い先生が外にいて胸が当たりそうになったぐらい気まずいよ。

いや、もはやそこからイケナイ関係に、、、

いやいや、そんな事じゃなくて。

姉は眞樹が顔真っ赤にして1人でぶつぶつと独り言の内容を聞いて姉もまた顔真っ赤になった。

そこから2人は夕食を食べるまで顔を合わせることはなかった。


夏休みに入って1週間が経とうとしていた時学校から電話がきた。

「もしもし、新高にいときです。」

「担任の山内です。ってその声は眞樹か、明日から学校で文化祭準備あるからこいよ」

「えっ、、、は?」

「いや、明日からクラスで準備あるからこいよ、来ないと成績下がるぞ。んじゃ」


それは担任の脅し付きの忘れかけていた文化祭準備についてだった。

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