09【雪平立夏】壁鏡
――紬くんが、
通話機を戻すと、柱に掛けてあった壁鏡を見遣り、一瞬ボォ~ッとなる。
無表情な、私の顔。
でも、顔には出ないけれど、頭の中ではたった今妹さんから聞いた情報を目まぐるしく分析中だ。
――一体、どういう状況なの?
さまざまな想像だけは逞しく働くけれど、その中から納得のいく解を見つけ出すことはできそうもない。
昼間、
――ということは、外でわざわざ優奈先生と待ち合わせして秘密のお出かけ?
でも、そうだとしたら妹さんが知ってるのはおかしい……と考え直す。
今日のミーティングの際にも紬くんのことについては、可憐といい
もしかすると、可憐が何か知ってるのかもしれないけれど……。
何か知っていたとしても、あの様子では教えてくれるかどうかは疑問。
そんなことで時間を取られるくらいなら……。
さっきまで着ていたオフショルダーのスモックにもう一度腕を通し、下は動きやすいようにデニムのショートパンツに着替える。
時計を見ると、針はちょうど午後四時を指していた。
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