03【リリス】ミスったぁ!
「ああ――っ、ミスったぁ!」
今日、何度も心の中で繰り返してきた後悔の言葉だけれど、一人になって思わず口を
シャワーを浴びながら、ガックリ
夢ノートを買った後、人間界へのワームホールを開いたまでは良かった。
しかし、座標を間違えて出口を空中に開いてしまっていたのだ。
閉じかけたホールゲートに慌ててしがみつき、なんとか落下は免れた。
でも、気が付けば夢ノートが消えていて――。
バタバタやっているうちに、どうやら地上に落としてしまったらしい。
「ハァ……ちゃんと浮遊飛行の単位も取っておけばよかったな……」
シャワーを止め、泡立てた魔界シャンプーで髪を洗う。
肩口まで伸びた
去年までは何の抵抗もなく床に落ちていたことを考えれば、なかなかの急成長だ。
もっとも、これまでが
――誰かがたまたま拾って表紙の字を読めば、使ってくれる可能性もあるけど……。
もし、川や森の中など、人目に付かないところに落ちていたらそれも絶望的だ。
たった百五十ダミエンだけど、月のお小遣いが五百ダミエンの私にとっては大金!
もう一冊買おうにも、財布は
使用済みページを廃棄しながら使い回せば、あのノート一冊でも結構な人数の調査ができたはずなのに……。
――もう、相手の趣向なんて無視して、ぶっつけ本番で誘惑しようかしら?
でも、それだとどうしてもお色気全開の淫夢作戦に頼らざるを得ないわよね……。
百歩譲ってお色気誘惑作戦を実行するなら、せめて自分が好きになれる男の子を見定めたい。その為にも、本性のでる
「堂々巡りだよ!」
再び蛇口を回して頭からシャワーを浴びる。
胸元を隠していた泡も幼気なボディラインに沿って流れ、薄桃色の小さな蕾が顔を出す。
「ハァ……」
――こんな幼児体系でも付き合ってくれる男の子、ほんとにいるかなぁ?
人間界の十六歳なら、これくらいでも普通と言えば普通な気もする。
まあ、それでも、ちょっとだけ子供っぽいのは認めるけどね!
ただ、圧倒的に純血悪魔が多い同級生の早熟ボディに囲まれていると、男性を誘惑するにはあまりにもみすぼらしく感じてしまうのも事実だ。
――とりあえず二、三日待って、様子を見てみよう。
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